マラソンの生理学

走っていて分った積もりでいたことがふと、疑問に思うことがあります。先日も週間走行距離やインターバル走の練習効果について疑問に思い、ダニエルズさんとアドバンスドさんを読み返したりしているのですが、疑問に思っていなかったところも読み返してみるととても興味深かったりします。ちょっと引越しで整理していて古いアルバムを見始めたような、あ、ちょっと違いますかね。

ダニエルズさんもアドバンスドさんも理論的で納得性も高いのですが、基本のところは同じでもそれぞれ表現が異なっていたりします。

アドバンスドさんでは「フルマラソンの生理学」と題して、マラソンの記録向上に関わる要素を整理しています。
本のままなんですけどね。詳しくは買ったり、借りたりして読んで見て下さい。
マラソンランナーとして成功するための要素と考えても良いかなと思いました。一般市民ランナーだと全部揃っているわけじゃないし本格的に調べないと分らない項目もあります。若干(結構?)、本から言葉を変えて書いています。

1.遅筋繊維の割合が高い
運動筋は3つのタイプがある。遅筋と速筋タイプIIa、速筋だがある程度持久力を持った遅筋の性質を持つタイプIIb。
遅筋は速筋と比べ、強い筋出力は無いが持久性に優れ、有酸素能力(酸素を使ってエネルギーを生産する)、毛細血管密度が高い。
遅筋と速筋の比率は個人差があり、遺伝的に決まっておりトレーニングで変化しない。と言われている。ただし、速筋IIbは遅筋の性質を帯びるように持久的トレーニングで変えられる。

2.乳酸性作業閾値(LT値)が高いこと。
弱い運動強度から徐々に運動強度を高めて行った時、ランニングだとジョグペースから徐々にペースアップして行った時に、血中乳酸濃度が急激に増えるポイントがありそれを乳酸性作業閾値と呼んでいる。略して閾値。
アドバンスドさんでは、最高心拍数の82%から91%の運動強度で、速い選手はハーフマラソンのペースに近く、一般ランナーは10km走や15km走のペース。ダニエルズさんは50分から60分継続できるペースと書かれていて、トップランナーはハーフを1時間程度ですから、閾値ペースで走れ、一般ランナーはハーフを80分以上掛かるからハーフレースは閾値ペースじゃないですね。もう少し遅いランナーは10kmレースが50分だったら、そのペースが閾値。

閾値に関係するのは
・ミトコンドリアの増加と拡大
何故ミトコンドリアの数と大きさが拡大すると乳酸性作業閾値が上がるのか。
ミトコンドリアは筋繊維の中で有酸素性エネルギーを生産するいわば、細胞の発電所。有酸素性エネルギーの生産が増え、より速いペースで走れるようになる。(より速く走るためには、より強力な筋出力が必要なため)

・筋肉内毛細血管密度の上昇
有酸素性エネルギーを生産するためには当然、酸素が必要で毛細血管が発達していれば、より酸素が行き渡りやすく、また老廃物や二酸化炭素を運び去ることが出来て、有酸素性エネルギーの生産が向上する。

3.グリコーゲン貯蔵量が多く脂肪利用効率が良いこと。
フルマラソンの場合、蓄えたグリコーゲンを上手に使い枯渇させないで走ることが必要で、そのためには貯蔵量そのものを多くすることと、グリコーゲンを節約して使うために上手に脂肪を利用すること。

4.ランニングの経済性が優れていること。
一定の酸素消費量、ひいては一定のエネルギーでどれだけ速く走れるかが、ランニングの経済性。燃費の良い車と同じですね。アドバンスドさんの記述では、ランニングの経済性を決定する主な因子は、速筋と遅筋の割合(遅筋が多い方が有利)、バイオメカニクス的諸条件の相互作用、走暦とあります。バイオメカニクス的条件についてはどれと言えないとあるのですが、あまり難しく考える必要は無く、無駄の無いフォーム、ブレーキの掛からないフォームとか、上下動、左右ブレが少ないフォームとか、脚のスムーズな回転とかそう言ったことじゃないかと思うのですが。

5.最大酸素摂取量(VO2max)が高いこと。
多量の酸素を筋肉に運び込む能力が高いこと。

6.回復が早いこと。
優れたマラソンランナーは回復が早く、より高強度な練習を頻繁に行うことが出来る。単に若さや遺伝だけでなく、練習の組み立てや食事、睡眠、年齢、生活習慣など色々な要素がある。
これはとても大事ですね。歳を取ってくると回復が遅くなりやりたい練習が十分出来なくなって来て加齢に加えて走力が落ちることになると考えています。

全部で6項目ですね。これらの生理学的要素を改善する方法として
1.遅筋繊維の割合が多い
これは無理か。遅筋の割合は増えない。速筋を持久的トレーニングで鍛えることで遅筋の性質を持った速筋タイムIIbには変化させることは出来るが、遅筋の代わりを完全に務めることは出来ない。とは書いていないですが、筋タイプ以外はすべてトレーニングで向上できると書いてあります。
遅筋の比率が低いとマラソンにむかないのか、それは逆に速筋の比率が高く短距離は有利なんでしょうけど、相関関係は認められるも後天的要素(トレーニング)も大きく、筋肉の比率と競技は距離がある事も理解しておくべきとアスリートの科学には書いてあります。

2.LTを高める。
現在の閾値ペースかそれよりも1km当り1秒か2秒早いペースでテンポ走かまたはクルーズインターバル(閾値ペースと休憩を交互に行うインターバル走)。練習では乳酸が血中に蓄積し始める強度で走ることになる。これより低いとトレーニング刺激が弱くなり、高いと急激に乳酸が蓄積しそのペースを維持できなくなる。

3.グリコーゲン貯蔵能力と脂肪利用効率を向上させる
持久性トレーニングのみで向上させることができる。中心となるのは、一度に90分以上走るロング走。
注意点がいくつかあり要約すると
・長く走り過ぎても良くない。長いと体力は付くがそれ以外のポイント練習ができなくなる。
・スロージョギングも良くない。適正ペースはレースペースの10%から20%遅いペース。
・遅いペースだとマラソントレーニングとしては不十分でよくない走り方が身についてしまう。
遅いペースが良くないことをかなり紙面を割いて書かれています。
これは改めて読み返して見て、新鮮なアドバイスでした。ちょっと思っていた事を裏付けてくれる記述です。

4.ランニングの経済性を高める
この点に関しては練習方法として2つ薦めていて、一つは時間をかけて走行距離を増やし、速筋を遅筋の性質に近づけること。もう一つが短い距離を速く走ること。これは流しです。100mを10本としているので、流しを10本行う、スプリントインターバル走です。ダニエルズさんのことにも触れていて、ダニエルズさんはレペティションを薦めていると書いてありました。
レペティションも短めの距離を速く走ることで無駄のないフォームを身に付ける方法です。
一般市民ランナーに取っては、より取り組み易い、流しやそれを多く行うスプリントインターバル走が良いと思いました。長い距離を時間をかけて速筋を遅筋に変えたらランニングの経済性が高まるのか?
確かに速筋はパワーがあるが長持ちしないので速筋タイプIIb=中間筋に変ればよりマラソンには向くでしようけど効率の良いフォームの方が有効に思えます。

5.VO2maxを向上させる。
練習方法としては、いわゆる、インターバル走ですが、ここもダニエイルズさんと近い理論で書かれています。
400mのような短いインターバル走より、1200mなどのような長い距離の方がVO2max向上の刺激としてはより強い。
VO2max走については、ダニエルズさんとアドバンスドさんを比較して書いた方が面白いのでまた後日。

思いの外、長くなってしまいました。
えっ、いつものこと(笑)
一つ一つを掘り下げて書きたいような内容ですね。またダニエルズさんの原理とも比較したいと今日は触り的な内容でした。
回復については説明が別の章で詳しく書かれていたように思います。
本を多少変えたけど写しただけで内容がありませんでした(反省)

アドバンスドさんの内容が無いという事じゃなく、それを上手く整理できていないと言う自分の問題。
ただ駄文でも書いてみるのは、速く走るための要素や方法、仕組みを少しでも正しく理解したいからです。

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マラソンペースに拘る理由

マラソンペースで練習する事は、アドバンスト・マラソントレーニングでもランニング・フォーミュラでも重要で効果が高いと取り上げています。

一方、マラソンペースのロング走は、距離が長いゆえ、それなりに運動強度が高く疲労が残ります。
マラソン練習としてはマラソンペースより遅いペースでのロング走、ミディアムロング走も薦めています。
おさらいしておくと、

アドバンスト:
最高心拍数の74%-84%
マラソンペースの10%-20%遅いペース
ロング走は26km以上、ミディアムロング走は18km-24km。
マラソンペース走の例として、25km走で最初の6kmはマラソンペースより遅めで残り19kmをマラソンペースで。
マラソンペースでは、最高心拍数の79%-88%

ダニエルズさんのマラソンペース走:
最高心拍数の80%-90%
90分間または26kmのどちらか少ない方
レース予定でMペースでの1時間程度の練習を5,6回行って来た後なら、
Mペースでの2時間走か32km走のどちから速く終わる方

ちなみに、サブ3ペースでも30km走は2時間7分30秒掛かります。

マラソンペースで得られる効果は、何でしょうか?
まず、本番と同じペース、フォームで実際に走りを経験できるという点が大きいです。
また、トレーニングで効果を上げる7原理の一つ、トレーニングの特異性を行うこと。特異性の原理はある種目に熟達するにはその種目を行うことが一番と言うことです。
マラソンレースを熟達するには、マラソンペースで走るのが特異性の原理。

実際にマラソンペースで走った場合と、それより遅いペースで走った場合は、着地衝撃、脚の疲労、グリコーゲンの消費度が変わって来ます。また給水練習は練習時には難しいですが、走るスピードが違うのでコップの取り方なども少し難しくなります。一番はグリコーゲン消費が早いので脚に疲れが出て来るところでしょうか。

練習した後の疲労度も違って来ます。マラソン練習は1回1回のポイント練習の質の高さと週間、月間で見た時に積み上げた練習量と質、どちらかと言うと期間中の質と練習量で走力は決まってくるでしょうから、マラソンペースがマラソン練習に一番良いからとそればかりやり続けられるものでもありません。この辺りは疲労やトータルでどれだけの練習が出来るかの兼ね合いでしょう。

マラソンペースより遅いペースのロング走でも十分マラソンに必要なランナーの生理学的効果は得られます。

さて、タイトルの「マラソンペースに拘る理由」ですが、上に書いた有名指導者が唱える効能もその強い動機になりますが、他の理由でマラソンペースをシーズンが近づくとしつこく実施しています。

一番は、マラソンペース自体を当たり前のペースにしておくため。

普段はキロ5分ぐらいのロング走しかしないで、本番レースでは軽くサブ3で走ってしまうランナーさんも居られます。レースだと力が出るタイプのランナーさんですね。自分は真似が出来ないため、マラソンペースを普段レベルにしておく必要があります。そのタイプのランナーさんだと、自分がやっている練習でサブ3ペースなら、本番だと軽くサブ50以上で走ってしまうことでしょう。私の場合、練習より少し力が出る程度ですね。
何だか練習はしんどいのに損な感じですが、一つメリットは有ります。マラソンペースで20km走や30km走を練習で実施しているので、本番レースを終わった後のダメージが少ない点です。普段より10kmか12km多い程度なので。仕事を持つ市民ランナー、フルマラソン翌日も普通に仕事が待っていることもあり、例え本命レースでも余り燃え尽きて居られないということがあります。本命レースでさえも、日常にしてしまおうという考えです。
もっとも、自分の場合、火事場、アドレナリンの力が発揮できず、練習で出来たことした本番でも出来ないというところもあります。

もう一つは指導者が書かれているように本番レースペースに慣れること。これはピッチ数、脚裁き、腕振りなどのフォームやマラソンペースでのペース感覚、それは腕振り頻度、ピッチ数だけでなく、流れる景色を目に焼き付け、体にスピードを馴染ませておくこと。

まあ、拘りというほどの拘り、理由じゃなかったですね。

マラソンに向けた練習としては、アドバンストではマラソンペースの10%から20%遅いロング走も薦めていますが、計算すると少し遅いかなと思っています。マラソンペースの+15秒から+30秒までで30km走が良いんじゃないかと思います。自分はマラソンペースに拘っていますけど
そこは、好き好きで良いと思います。

フルマラソン向け30km走の練習パターンとしては次のような物が考えれます。

マラソンペース走で30km:
疲労度は大きい。完走出来れば自信になる。特異性の原理を体現。本番のシミュレーション。30km後の余裕度が判る。

マラソンペースの+15秒から+30秒の一定ペース走30km:
疲労度は少なめ(それでも疲れますけど)。完走できる可能性が高く、行えば確実に走力アップ。本番のアドレナリンに期待。セット練習などで、多少疲れが有っても出来る。

マラソンペースまでビルドアップロング走:
3段階から4段階でビルドアップして最後はマラソンペースかもしくは少し速く走る。
レースをコントロールしている感覚が養える。マラソンペース自体も(最後の方だが)体験できる。疲労度はマラソンペース走より少ない。

初めて挑戦するマラソンペースなら、一度マラソンペース30km走はやった方が良いと思います。練習で無理なら、東京30kなど大会を利用する。

ビルドアップロング走の例:
Sub3.5
0km-8km:05'20/km
8km-15km:05'10km
15m-23km:05'00/km
23km-30km:04'50/km
32km走の場合、偶数区間を8kmに変える。

もっと単純。
0km-15km:05'10/km
15km-30km:04'50/km

3段パターン
0km-10km:05'15/km
10km-20km:05'00/km
20km-30km:04'45/km

まあ、色々、楽しめます。

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セット練習が出来る理由

昨日の記事、練習強度と回復で、ハード&イージの原則を紹介しました。

走力アップに重要なポイント練習など強度の高い練習の後は、完全休養も含めた回復日として練習してもイージな練習をして超回復を図る。そういうことでした。

では、その原則に従わず、セット練習が何故行われるのでしょうか?
あ、セット練習とは、ポイント練習を連続二日行うことです。
英語では、back to back hard days, 背中合わせのハードな日と呼び、略してバックツーバック(back to back)とアドバンスト・マラソントレーニングでは呼んでいます。

ポイント練習が続きますから、二日目は疲労も残り、その分、故障リスク、疲労の上積み、オーバートレーニングリスクも増加します。

それなのに、何故、セット練習を行うのか? 
疲れた翌日に更に頑張ることで根性を鍛えるため?
疲れた脚で走ることでスタミナが養成される?

確かにどこかで必ず苦しくなるフルマラソンというスポーツではメンタルの強化も重要ではあります。
疲労が残った脚で翌日、質の高いポイント練習が本当に出来るのでしょうか?
意味のある、効果的なセット練習はどんな練習をすれば良いのでしょうか?
そんなところを考察してみたいと思います。

昨日記事で、ハード練習を行った時の生理学的変化を3点挙げています。
・一時的免疫力の低下 12時間から72時間
・グリコーゲンが大幅に減少 完全回復に24時間から48時間必要。
・遅発性筋肉痛が発生。 そのピークは1日から2日で2日目が大きい。

免疫力の低下に更に追い討ちをかけるのは良く有りませんが、研究で免疫力が下がるのは、マラソンペースより速いペースで1時間以上走った場合に限ると有ります。

それらから、セット練習を次のような組み合わせて実行することは出来そうです。
1日目(土曜日):インターバル走、閾値走などのスピード練習
2日目(日曜日):ロング走、マラソンペース走などのスタミナ練習

脚の一番フレッシュな1日目に着地衝撃が大きいスピード練習を持って来ます。
アップジョグの後、スピード練習。この強運動を行った後は、続けて弱運動の5km-10kmのジョグを入れて脂肪燃焼効率の向上を計る。このポイント練習だけでも十分走力アップに貢献します。

スピード練習は1時間以上の疾走時間は行えないので免疫力の低下は比較的抑えられる。
グリコーゲンの枯渇はかなり進むが午前中の練習だと場合により朝食、朝食後でも昼食、おやつ、夕食と補給機会がある。

翌朝の朝食後、2日目は着地衝撃がスピード練習より小さいロング走をある程度、疲労した脚、完全充填出来ていないがかなり出来ているグリコーゲンで実施。
ここでのポイントは、遅発性筋肉痛は、1日後であるため、ピークの2日後目より軽い点。まだ筋肉痛のピークに達しない内にポイント練習をやってしまうこと。また、マラソン練習としては、疲労とエネルギーがある程度減った中でのロング走で、マラソン後半のシミュレートと訓練が出来る点です。

back to back, セット練習を行ったので、月、火は回復日。仕事が忙しい市民ランナーとしては、土日で追い込み月、火は場合によりランオフして超回復。水曜日に再びポイント練習を実施というパターンが行えます。
勿論、ポイント練習、回復日、回復日のパターンより、セット練習2日目の故障リスクは高まります。

逆パターン、1日目ロング走、2日目スピード練習は、疲れた脚で翌日、着地衝撃の強いスピード練習を行うため、故障リスクが更に高まりますし、質の高いスピード練習もやり難い。
それとやっては行けないのが、3日連続のポイント練習。遅発性筋肉痛がピーク、重ね塗りなので質の高い練習も出来ませんが、無理に強度の高い練習を実施すると故障リスクはかなり高くなります。2泊3日ぐらいの合宿で追い込む時なんかが危ないでしょうか。

私も今年は脚の具合もあり、セット練習は避けています。とても同じ練習が出来ませんが、昨年の同じ頃やっていたセット練習を振り返ると。

2012年9月15日(土):
上尾運動公園。晴れ。朝5時半から。
3.7km 22分37秒 (06'10/km) アップ&WS走2本
5.0km 18分12秒 (03'38/km) 1kmインターバル5本 レスト200m
5.6km 24分08秒 (04'18/km) 周回7周 サブ3ペース走
6.4km 30分34秒 (04'46/km) 周回8周 サブ3.5ペース走
3.0km 17分00秒 (05'40/km) ダウンジョグ
合計 23.7km


2012年9月16日(日):
上尾運動公園。朝6時前。晴れ時々曇り
アップジョグ&100m WS走2本 3.03km 17分53秒 (05'54/km)
サブ3ペース走 25.1km 1時間45分52秒 (04'13/km)
ダウンジョグ 2.66km 16分16秒 (06'06/km)
合計 30.79km


特に土曜日の朝食前練習が強烈ですね。レスト200mでインターバル走の後、サブ3ペースとサブ3.5ペース走もやっています。若かったなあ、今より1歳だけだけど。

長くなったので、セット練習のポイントを再整理:
・一日目に着地衝撃の大きなスピード練習を持って来る。
・二日目はロング走でマラソン後半のスタミナ練習
・スピード練習の疾走時間は1時間以内(30分程度にする)。免疫力低下を抑える。
・練習後、出来るだけグリコーゲンを回復しておく。
・遅発性筋肉痛がピークになる前に二日目の練習をやってしまう。
・セット練習の翌日以降は回復日で超回復を狙う

今年、セット練習はあまりやっていないと書きましたが、アキレス腱に不安があるためです。アキレス腱炎は、オーバーユースで再発しやすく、1日目のスピード練習である程度ダメージを受けた翌日、十分回復しないまま、ロング走などを行う時に特に注意が必要です。

時間確保が難しい市民ランナーに取って、土日のセット練習は走力アップとして強力ですが、その分、故障リスクもある諸刃の剣ということを認識しつつ取り入れるか、ハード&イージの原則を守るかは、ランナーのランニングスタイルに寄ります。

マラソンシーズンに入ると最終摺り合わせと言うことで1日目にマラソンペースのロング走。2日目はEペースや課有酸素ペースの20km走などのセットも有効だと思います。
今日は長くなりましたので、セット練習パターンはまた後日に。


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練習強度と回復

今日は、アドバンスト・マラソントレーニングの中から、練習の強度、そして回復について。
アドバンストでは練習方法もさりながら、回復や栄養摂取にも重きを置き紙面を割いています。

いつもアドバンストと書いていますが、ダニエルズさんのランニング・フォーミュラをダニエルズさんと略して呼ぶのと違い、タイトルの略を使っています。著者がピート・フィッチィンジャーさんとスコット・ダグラスさん二名だから、ピートさんとスコットさんとかだと長くなるからです。どうでも良い話でした。

トレーニングの話に戻すと、マラソン用語で良く登場するキーワードがあります。
超回復、ポイント練習、回復走、疲労抜きジョグ、セット練習。

練習の強度と回復を理解することで効率の良い走力を上げて行く練習が出来て行くと思っていました。アドバンストではその考えを裏付けてくれ、知識を深めてくれました。

まず、ポイント練習。どんなイメージでしょうか?
走力を高めるために実施するある目的を持った練習。文字通りトレーニングの中でポイントとなる重要な練習で運動強度も高い。結果的に疲労や筋肉痛になりやすい練習です。

回復走:
回復ジョグと言ったり、回復走と言ったりしていますね。先日のコメントで、seiさんから、「走ったら回復しないで疲れるじゃん!」。。。とあり、「回復走で回復するのか?」を書いて欲しいとリクエストが有りました。
そうですよね。ポイント練習で追い込んで、疲労、筋肉痛なのに翌日走る。本当に回復するのか?寝てた方が良くないの?
同じように疑問に思っているランナーさんも居られると思いますので、アドバンストの考え方と私見を書いて見ます。

超回復:
これはご存知ですね。運動強度の高い練習をして筋疲労や筋肉繊維が(微細に)損傷したことに対し、次に備えて体が以前より強い状態に回復させようとすること。これは筋肉だけでなく、枯渇したグリコーゲンの回復や、毛細血管の発達や心肺機能の向上なども含まれます。追い込んだ練習から丸二日間経つと、50歳をとっくに過ぎた自分でもかなり回復します。フルマラソンだと1週間ぐらいかかりますけど。

用語解説はほどほどに、練習の仕方と言いますか、練習強度はどのようにしたら良いでしょうか?
ここでは健康のために走るジョギング練習は除き、市民ランナーが自己ベスト更新を目指し、走力アップをするための練習を指します。

ハード&イージーの原則:
練習の基本形です。走力アップに重要なポイント練習、ハードな練習を1日行ったら、1日以上は回復日とするパターンです。回復日と言うのは、回復走だけでなく、完全休養、ウォーキング、自転車や水泳などクロストレーニングも含みます。

インターバル走、閾値走、ロング走など、走力アップするためのハード練習。走力がアップするからと毎日やれるものでは有りませんよね。筋肉の疲労もそうですが、筋グリコーゲンも枯渇し、その完全回復には24時間から48時間必要とされています。

1日、ハードな練習を行ったら、翌日以降は回復するまで回復日(イージー)を設ける。超回復を考えると48時間でしょうか。

ハード練習を行うと体にはどんなことが起こっているでしょうか?
・免疫力が一時的に低下する。 
マラソンペースより速く1時間以上走った場合に限ると書かれていましたが、経験的にはフルマラソン完走、50km超のロングラン、インターバル走などでも疲労したら、免疫力が落ちている気がしますし、実際、そういう時に風邪を引いたりしています。免疫力低下は12時間から72時間持続とあります。

・グリコーゲンが大幅に減少
先に述べたように完全回復には24時間から48時間かかります。

・遅発性筋肉痛が発生する。
筋肉の微細損傷。練習の結果、筋損傷、炎症、痛みとなり、そのピークに達するまで1日から2日かかる。
歳を取ったから、筋肉痛が2日後に来たよというのは誤解で、遅発性筋肉痛がその正体。

それでハード練習で体に起こっている刺激に対し、栄養を取り休息することで超回復となり以前より強い体となっていきます。それ故、基本はハード&イージの原則に従い、オーバートレーニングを予防しなければなりません。

そういう意味では、回復日の回復走。どんな意味があり、どのように行うべきなんでしょうか?
完全休養したり、ウォーキングやプールで軽く泳いだ方が良いのじゃない?そんな疑問が湧きますよね。

アドバンストでは回復日の練習について、次のように警告しています。
・回復日にハードな練習を行ってしまう。
 その次のハード練習に疲れが残り、不本意な練習内容となり、焦って更にハードな練習を繰り返す。結果的にハード練習の質が落ちてくる。
・回復日に距離を稼ごうとする。

と言うことで回復日に回復走を行うなら、距離は短く、ペースも遅く。これは走力に寄りますが、私見ですが、月200km、走力サブ3.5で10kmも走ってしまうと回復走にならないんじゃないでしょうか。

回復走の効果は、走って血行を良くし、疲労物質(乳酸では無い)を除去し、筋損傷を修復する栄養素を筋肉に届けること。最高心拍数の76%以下。有酸素走の最低が70%なので70%で走れば良いことになります。
ちなみに、サブ3.5なら06'30/kmぐらい。サブ3なら、05'40/km。

アドバンストでは、それくらいの距離かは書いていないです。疲れないように短めとあります。距離は10kmは多いので5kmから多くて7kmでしょうか。自分の走力で考えると5km-8kmかなと思います。普段の練習量の4割りぐらいかなと思います。アドバンストでは、走る場所もなるだけ脚に優しい柔らかい所とあり、芝生、土などが良いようです。ウレタンチップのランニングコースも良いですね。

ウォーキングで3km-5kmを歩くのが良いのか、有酸素走の閾値ペース70%で5kmが良いのか、その分寝っころがって休むのが良いのかは、自分に合う方法を試すのが良いと思います。水圧、冷却効果で、プールでウォーキングは良さそうに思います。

また一説では、1kmベストの2倍のペースで走ると疲労抜きになるという話もあります。3'30/kmのランナーで7'00/kmです。これだとかなり遅いので脚の動きはマラソンペースと異なると思います。ただ、強烈な筋肉痛の場合、これぐらいのペースなら走れるが、05'40/km辺りは結構辛いかもしれず、良いペースなのかもしれません。
ゆっくり走って、血行を良くし、強張った筋肉をほぐす感じでしょうか。アドバンストでもリディアードさんもダニエルズさんも語っていませんけど、市民ランナーには当て嵌まる疲労軽減の運動かもしれません。

個人差も大きいので、回復走のペースも自分が一番回復するペースを探ってみて下さい。閾値ペース70%を試してみて、サブ3.5なら06'30/kmですが、06'00/kmが良いのか、07'00/kmの方が疲労、筋肉痛が軽減されるのか?
距離は何キロが良いのか? 5kmなのか8kmの方が良いのか? 10kmの方がリフレッシュされるのか?
ウォーキングの方が良いのか? 回復ならジョグもウォーキングも30分程度が良いかなと思います。

ハード1日、イージー2日で超回復パターンですね。セット練習のことも書こうと思っていましたが、長くなったので次回に。

今日は台風でランオフかと思っていましたが夕方は晴れて路面も乾いたので拾い物ラン <-物を拾ったわけじゃないです。
記事のテーマに合わせて、回復走を試してみようかと思い、柔らかい路面へ。2kmほど離れた小川沿いの土のジョギングコースへ。疲労抜きになるかと思いましたが、土日特に追い込んだ練習をしていないので、疲労しているというほどでも無し。ポイント練習は水曜日なので、有酸素走でマラソンの総合能力アップを図るということで、有酸素走の最遅ペース,05'30/kmでランニング。

今日の練習:
街中ジョグ 午後4時半。晴れ。風強め。
14.12km 1:16:27(05'24/km) 116(134) 177 104
9月累計 129km 練習日数 10日


水曜日のポイント練習(閾値走)に備え、頑張り過ぎない有酸素走。風も強く暑くないので、心拍が思ったより低く、平均心拍数が116、最高心拍数が134(ほんの暫く)。
HRMax 64.4%でした。
ペースは十分、閾値ペース70%以上に入っていますが、心拍的には、
ダニエルズさんのEペース範囲、65%-79%、アドバンストの回復走ペース、76%以下と最遅ペースラインか。
心拍はともかく、05'30/kmのペースは自分としてはマラソンペースフォームを維持できる速度なのでOKです。

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二部練習は効率が悪いのか

昨日の記事、年寄りのぼやきとも弱音とも言える内容に対し、たくさんの温かいコメントを頂きました。
なんと、初サブ3を達成した時を遥かに上回り、31コメント
しかも、普段と比べ格段に長いコメント
返事はこの記事を書いた後に書きますが、ここでもお礼申し上げます。

はじめてコメントして頂いた方が多かったのですが、自分としては半分、炎上覚悟で、本音を書いてしまいました。結果的には、記事にして良かったと思っております。今までは、お会いした方やコメントを頂いた方など一部しか知らないで記事を書き続けていました。今回、昨日の記事をきっかけに大勢の方が自分のプロフィールやラン暦などを含めて書いてもらえたらので、これからの記事にも反映して行けると思います。また「今、ランニングでこんな悩みがあるんだけど、何かアイデアある」というようなコメントや「こんな練習方法どう思う」などを頂けたら、ネタ切れせずに双方向な記事を書いて行けるかなあと思います。

さて、ブログを書くモチベーションが3100%にまで跳ね上がりました。ただ、ブログの質は以前と変わりませんけど。
これからも市民ランナー目線でマラソン記事を書いて行きますので引き続きよろしくお願いします。

応援クリックについては、多少の拘りがあるとすると、マラソンカテで10位辺りには居たいなというところです。何かランニング企画を考えて募集をする時に、大勢のランナーさんの目に留まり易いからです。

コメントに関しては、毎日31コメントも頂くとパンクしますので、適当に頂ければと思います。
それにしても、たくさんのコメントを頂いて、とてもうれしかったです。何かで落ち込んだ時は、頂いたコメントを読み返して元気を回復したいと思います。

さて、今日の記事ですが、「アドバンスト・マラソントレーニング」にちょっと気になる記述がありました。
自分の場合、どんなプロコーチ、名コーチが言っていることでも、ある程度自分で納得できる論理性が無いと信じないことにしています。

1日2回の練習
隣のページには、価値のない2部練習

おや、ですね。

読んで見て、趣旨としては、納得はしました。内容を要約すると

・マラソン練習の場合、同じ20kmを走るなら、朝10km、夜10kmと走るより、1度に20km走る方がトレーニング効果が有る。
・5kmなどの短い距離のレースに練習しているなら、2部練習の方が良い。
・週に80km以上走るなら2部練習を始めても良い。

マラソン練習の場合、スピード持久力も含め持久力の養成が重要になり、1度に20km走る方が10kmを2回に分けて走るようり、運動強度が高くトレーニング効果は高いからです。同じ時間を割くなら、トレーニング効果が高い方が良い。一方で分けることで、一回の負荷が分散でき、疲労や故障からは少し安全になるでしょうか。
ただ、体を休めると言う点では朝20km走り、夜は走らず寝てしまった方が良いようにも思います。

アドバンストでも、価値のない2部練習として、2回目の練習は最低でも25分は走るべきだと書いています。
これは、25分程度のランニングに対して準備が同じようにかかるためです。ウェアも2倍、シャワーも2度。ストレッチも2度。それならさっさと休めと言う趣旨が書いてあります。洗濯を奥様にお願いしているランナーはここ重要です。

そんな2部練習ですが、特に平日時間を十分取りずらい市民ランナーに取っては、価値のある練習だと思います。
朝は仕事前で忙しく1時間がやっと。夜もまあ1時間ぐらい確保がやっとという市民ランナーは多いでしょう。
その場合、朝1回10kmだけより、夜も走れたら10km走っておくことは、疲労、オーバートレーニングに注意すれば、トレーニングした効果は出て来ると考えます。距離が伸びた分、脚もスタミナも出来てきます。

今年は二部練習する時間も確保できていませんが、昨年つくばでのサブ3に向けて練習に励んでいた頃、平日水曜日に二部練習を導入しました。これは効果があったと思っています。

確かに、20km走を10kmづつ2度に分けると効果は小さくなります。消費カロリーという点では同等ですけどね。
ジョグで10km 2回が効果が小さいなら、1回1時間で完結する練習を2回入れれば良いのですね。いつもこの練習は何のために、どのような効果を狙って走っているのか考えれば、組み立てが出来て来ると思います。

一例を挙げると、
早朝の1時間で20分間または5kmの閾値走。
夜の1時間で本命レースのマラソンペース走。

早朝で、乳酸性閾値を上げてより速いペースでも継続して走れる持久力を向上させる。

夜は、本命レースに向け、そのマラソンペースを体に覚えこませる。と同時に持久力を向上させる。1時間と限れば、せいぜい5km程度ですが、毎週走ることでマラソンペースを体に染み込ませます。
その運動強度が高いのなら、ペースを落として回復走としても、ランナーとして絞れた体が作れるので構わないでしょう。

上手く時間が取れて1回1時間半程度確保できたら、15kmづつの二部練習で1日30kmなんてことも可能で、30km走を1回やるよりダメージは少ないし、一部と二部で練習目的を変えれば、二つの効果も狙えます。

と言うことでオーバートレーニングに注意すれば、自分は二部練習、肯定派です。
もっとも、これはランナーごとのランニングスタイルにも寄りますし、洗濯物は1回だけという必要性にも寄ります。朝4時に起きて2時間トレーニングするか、5時に起きて1時間、夜に1時間か、で2回洗濯するか。

アドバンストでは、週120kmを超える場合、二部練習を導入し、一部と二部で目的を分けるようにと進めています。私が上に書いた朝晩1回づつの練習もそれに習ったものになっていましたから、間違った練習じゃなかったみたいです。二部練習の良いところは、朝も走り、夜も走るので、何だか一日中、走っていた気分に成れるところです。

モチベが上がった割りに普段通りの記事でした
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テーマ : ランニング
ジャンル : スポーツ

プロフィール

たのくる

Author:たのくる
埼玉県在住の市民ランナー。50代後半、男性。
Author名の由来:ランニングで楽苦しいのが好き?
2012年11月、つくばで初サブ3を達成。

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