セット練習が出来る理由

昨日の記事、練習強度と回復で、ハード&イージの原則を紹介しました。

走力アップに重要なポイント練習など強度の高い練習の後は、完全休養も含めた回復日として練習してもイージな練習をして超回復を図る。そういうことでした。

では、その原則に従わず、セット練習が何故行われるのでしょうか?
あ、セット練習とは、ポイント練習を連続二日行うことです。
英語では、back to back hard days, 背中合わせのハードな日と呼び、略してバックツーバック(back to back)とアドバンスト・マラソントレーニングでは呼んでいます。

ポイント練習が続きますから、二日目は疲労も残り、その分、故障リスク、疲労の上積み、オーバートレーニングリスクも増加します。

それなのに、何故、セット練習を行うのか? 
疲れた翌日に更に頑張ることで根性を鍛えるため?
疲れた脚で走ることでスタミナが養成される?

確かにどこかで必ず苦しくなるフルマラソンというスポーツではメンタルの強化も重要ではあります。
疲労が残った脚で翌日、質の高いポイント練習が本当に出来るのでしょうか?
意味のある、効果的なセット練習はどんな練習をすれば良いのでしょうか?
そんなところを考察してみたいと思います。

昨日記事で、ハード練習を行った時の生理学的変化を3点挙げています。
・一時的免疫力の低下 12時間から72時間
・グリコーゲンが大幅に減少 完全回復に24時間から48時間必要。
・遅発性筋肉痛が発生。 そのピークは1日から2日で2日目が大きい。

免疫力の低下に更に追い討ちをかけるのは良く有りませんが、研究で免疫力が下がるのは、マラソンペースより速いペースで1時間以上走った場合に限ると有ります。

それらから、セット練習を次のような組み合わせて実行することは出来そうです。
1日目(土曜日):インターバル走、閾値走などのスピード練習
2日目(日曜日):ロング走、マラソンペース走などのスタミナ練習

脚の一番フレッシュな1日目に着地衝撃が大きいスピード練習を持って来ます。
アップジョグの後、スピード練習。この強運動を行った後は、続けて弱運動の5km-10kmのジョグを入れて脂肪燃焼効率の向上を計る。このポイント練習だけでも十分走力アップに貢献します。

スピード練習は1時間以上の疾走時間は行えないので免疫力の低下は比較的抑えられる。
グリコーゲンの枯渇はかなり進むが午前中の練習だと場合により朝食、朝食後でも昼食、おやつ、夕食と補給機会がある。

翌朝の朝食後、2日目は着地衝撃がスピード練習より小さいロング走をある程度、疲労した脚、完全充填出来ていないがかなり出来ているグリコーゲンで実施。
ここでのポイントは、遅発性筋肉痛は、1日後であるため、ピークの2日後目より軽い点。まだ筋肉痛のピークに達しない内にポイント練習をやってしまうこと。また、マラソン練習としては、疲労とエネルギーがある程度減った中でのロング走で、マラソン後半のシミュレートと訓練が出来る点です。

back to back, セット練習を行ったので、月、火は回復日。仕事が忙しい市民ランナーとしては、土日で追い込み月、火は場合によりランオフして超回復。水曜日に再びポイント練習を実施というパターンが行えます。
勿論、ポイント練習、回復日、回復日のパターンより、セット練習2日目の故障リスクは高まります。

逆パターン、1日目ロング走、2日目スピード練習は、疲れた脚で翌日、着地衝撃の強いスピード練習を行うため、故障リスクが更に高まりますし、質の高いスピード練習もやり難い。
それとやっては行けないのが、3日連続のポイント練習。遅発性筋肉痛がピーク、重ね塗りなので質の高い練習も出来ませんが、無理に強度の高い練習を実施すると故障リスクはかなり高くなります。2泊3日ぐらいの合宿で追い込む時なんかが危ないでしょうか。

私も今年は脚の具合もあり、セット練習は避けています。とても同じ練習が出来ませんが、昨年の同じ頃やっていたセット練習を振り返ると。

2012年9月15日(土):
上尾運動公園。晴れ。朝5時半から。
3.7km 22分37秒 (06'10/km) アップ&WS走2本
5.0km 18分12秒 (03'38/km) 1kmインターバル5本 レスト200m
5.6km 24分08秒 (04'18/km) 周回7周 サブ3ペース走
6.4km 30分34秒 (04'46/km) 周回8周 サブ3.5ペース走
3.0km 17分00秒 (05'40/km) ダウンジョグ
合計 23.7km


2012年9月16日(日):
上尾運動公園。朝6時前。晴れ時々曇り
アップジョグ&100m WS走2本 3.03km 17分53秒 (05'54/km)
サブ3ペース走 25.1km 1時間45分52秒 (04'13/km)
ダウンジョグ 2.66km 16分16秒 (06'06/km)
合計 30.79km


特に土曜日の朝食前練習が強烈ですね。レスト200mでインターバル走の後、サブ3ペースとサブ3.5ペース走もやっています。若かったなあ、今より1歳だけだけど。

長くなったので、セット練習のポイントを再整理:
・一日目に着地衝撃の大きなスピード練習を持って来る。
・二日目はロング走でマラソン後半のスタミナ練習
・スピード練習の疾走時間は1時間以内(30分程度にする)。免疫力低下を抑える。
・練習後、出来るだけグリコーゲンを回復しておく。
・遅発性筋肉痛がピークになる前に二日目の練習をやってしまう。
・セット練習の翌日以降は回復日で超回復を狙う

今年、セット練習はあまりやっていないと書きましたが、アキレス腱に不安があるためです。アキレス腱炎は、オーバーユースで再発しやすく、1日目のスピード練習である程度ダメージを受けた翌日、十分回復しないまま、ロング走などを行う時に特に注意が必要です。

時間確保が難しい市民ランナーに取って、土日のセット練習は走力アップとして強力ですが、その分、故障リスクもある諸刃の剣ということを認識しつつ取り入れるか、ハード&イージの原則を守るかは、ランナーのランニングスタイルに寄ります。

マラソンシーズンに入ると最終摺り合わせと言うことで1日目にマラソンペースのロング走。2日目はEペースや課有酸素ペースの20km走などのセットも有効だと思います。
今日は長くなりましたので、セット練習パターンはまた後日に。


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秘密コメントさん

以前お聞きしたメールアドレスに回答しました。

30Km走を優先させるために土曜日にやってましたが、翌日は疲労でスピードがあまり出せません。練習効率を求めて逆パターンの練習を取り入れてみます。

この様な記事には、いつもホントに勉強させて頂いてます。
平日は仕事で深夜帰宅が多く、週末の土日や祝日くらいしか練習できないので、とうしても続けての追い込みになっちゃいます。
土曜日追い込んで、日曜日はジョグで回復させるのがいいみたいですね。
あと、ロングを走ったあとの免疫力低下。
これは何度も経験しているので気をつけてます。
20km走だと平気なのに、30km走のあとに刺身食べると腹痛と下痢100%。
夕飯だと一晩中苦しみます・・・
初フルまで1ヶ月ちょい。
アキレス腱痛で1ヶ月半棒にふったので、目標はただの完走にかわってしまいましたが、少しでも追い込んで10000円分楽しもうと思ってます。
アキレス腱痛、まだ押すと痛みの様な違和感がありますが、長引くので怖い故障ですね。
9月いっぱいはスピード出した練習は無理そうです・・・ザンネンデス

おととしの後半から昨年にかけて(?)、週3日程度しか走らないたのくるさんが3時間前半からサブスリーペースでフルを走るの脚を作ったのには、土日のセット練の寄与が大きいと感じています。いかがでしょうか?

それもあり、脚ができていないわたし的には、うまく取り入れて行きたい練習です。

前回の記事と共に、非常に参考になりました。痛みがないと、ついつい「もう少しいけるかな」と無理をしがちです。
感覚だけでは無く、考えつつ練習計画を練りたいと思いました。

レースまであと1ヶ月ほどなので、こうして立ち止まって考えてさせてくださって、本当にありがたいです。焦ってまた故障しない様に気を付けます( ´ ▽ ` )ノ

前日の回復走の記事も大変参考になりました。少しずつ試して行き、週3回から走る回数を増やしていきたいと思います。また今回のセット練習も興味深いです。今は水曜日の休みと木曜日は大体半日休みなので、水曜日にロング走・木曜は筋トレと行った形ですが、足の調子の良い時にセット練習も試してみたいです。次回の追加記事を期待しています(笑)

ザキさん

30km走は、重要ポイント練習なので、優先でOKです。翌日はスピード練習でなく、Eペースのミドル走以上の距離を走ることで、30km以降の壁を無くす脚作りとします。平日に閾値走などスピード練習を入れれば良いと思います。
30km走は毎週やらないで(やれない)隔週で行い、
行わない週は、土曜日スピード練習、日曜日、20km程度のミディアムロング走などもパターンとして有効です。

ysさん

土日のセット練習なら、日曜日はスピードを出さない練習が故障回避できると思います。
30km走で腹痛は辛いですね。練習後、1時間以内に消化の良い炭水化物、ゼリー飲料でも良いです。と水分補給(余り冷たくないもの)も試してみてはどうでしょうか?
アキレス腱は私も苦しみましたが、無理の無い範囲で徐々に練習強度を高めて行くつもりで焦らないで進んで行けば上向きになると思います。
一説には一度痛めると直らないという話もありますが、そうでも無さそうです。

ふらんくろんがーさん

セット練習以外には、水曜日のポイント練習、それとレースの多用、特にハーフマラソンを何度も走ったことが、走力アップにつながったかなと思います。簡単に言うと
2011/04 ハーフ1時間50分
2011/10 推定、フル3時間45分
2012/01 初フル、3時間15分
2012/04 3時間8分
2012/11 サブ3
2011/10-2012/11の間、ハーフレースを11,2回走っています。

あゆさん

今日のあゆさんの閾値走、とても良いと思います。
時間が1時間しか無い場合、閾値走が一番走力アップに効率的です。
プラス15分取れれば、閾値走後に、05'00/km-05'10/kmぐらいの有酸素走を時間分走ってみて下さい。最初は閾値走で腿に疲労が残り、辛い感じですが、走っていると徐々に回復して来ます。
この回復過程が、スタミナと脂肪燃焼効率をアップしてくれます。

むるもとさん

セット練習を始められるのでしたら、最初は少し緩めでも良いと思います。本当に重いポイント練習を土日やると、月曜日に筋肉痛や体のだるさが半端ないですから(笑)。故障リスクもありので、徐々にハードにしていく感じで良いと思います。
追加記事は、サブ3.5とサブ3について書く予定です。
プロフィール

たのくる

Author:たのくる
埼玉県在住の市民ランナー。50代後半、男性。
Author名の由来:ランニングで楽苦しいのが好き?
2012年11月、つくばで初サブ3を達成。

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