練習強度と回復

今日は、アドバンスト・マラソントレーニングの中から、練習の強度、そして回復について。
アドバンストでは練習方法もさりながら、回復や栄養摂取にも重きを置き紙面を割いています。

いつもアドバンストと書いていますが、ダニエルズさんのランニング・フォーミュラをダニエルズさんと略して呼ぶのと違い、タイトルの略を使っています。著者がピート・フィッチィンジャーさんとスコット・ダグラスさん二名だから、ピートさんとスコットさんとかだと長くなるからです。どうでも良い話でした。

トレーニングの話に戻すと、マラソン用語で良く登場するキーワードがあります。
超回復、ポイント練習、回復走、疲労抜きジョグ、セット練習。

練習の強度と回復を理解することで効率の良い走力を上げて行く練習が出来て行くと思っていました。アドバンストではその考えを裏付けてくれ、知識を深めてくれました。

まず、ポイント練習。どんなイメージでしょうか?
走力を高めるために実施するある目的を持った練習。文字通りトレーニングの中でポイントとなる重要な練習で運動強度も高い。結果的に疲労や筋肉痛になりやすい練習です。

回復走:
回復ジョグと言ったり、回復走と言ったりしていますね。先日のコメントで、seiさんから、「走ったら回復しないで疲れるじゃん!」。。。とあり、「回復走で回復するのか?」を書いて欲しいとリクエストが有りました。
そうですよね。ポイント練習で追い込んで、疲労、筋肉痛なのに翌日走る。本当に回復するのか?寝てた方が良くないの?
同じように疑問に思っているランナーさんも居られると思いますので、アドバンストの考え方と私見を書いて見ます。

超回復:
これはご存知ですね。運動強度の高い練習をして筋疲労や筋肉繊維が(微細に)損傷したことに対し、次に備えて体が以前より強い状態に回復させようとすること。これは筋肉だけでなく、枯渇したグリコーゲンの回復や、毛細血管の発達や心肺機能の向上なども含まれます。追い込んだ練習から丸二日間経つと、50歳をとっくに過ぎた自分でもかなり回復します。フルマラソンだと1週間ぐらいかかりますけど。

用語解説はほどほどに、練習の仕方と言いますか、練習強度はどのようにしたら良いでしょうか?
ここでは健康のために走るジョギング練習は除き、市民ランナーが自己ベスト更新を目指し、走力アップをするための練習を指します。

ハード&イージーの原則:
練習の基本形です。走力アップに重要なポイント練習、ハードな練習を1日行ったら、1日以上は回復日とするパターンです。回復日と言うのは、回復走だけでなく、完全休養、ウォーキング、自転車や水泳などクロストレーニングも含みます。

インターバル走、閾値走、ロング走など、走力アップするためのハード練習。走力がアップするからと毎日やれるものでは有りませんよね。筋肉の疲労もそうですが、筋グリコーゲンも枯渇し、その完全回復には24時間から48時間必要とされています。

1日、ハードな練習を行ったら、翌日以降は回復するまで回復日(イージー)を設ける。超回復を考えると48時間でしょうか。

ハード練習を行うと体にはどんなことが起こっているでしょうか?
・免疫力が一時的に低下する。 
マラソンペースより速く1時間以上走った場合に限ると書かれていましたが、経験的にはフルマラソン完走、50km超のロングラン、インターバル走などでも疲労したら、免疫力が落ちている気がしますし、実際、そういう時に風邪を引いたりしています。免疫力低下は12時間から72時間持続とあります。

・グリコーゲンが大幅に減少
先に述べたように完全回復には24時間から48時間かかります。

・遅発性筋肉痛が発生する。
筋肉の微細損傷。練習の結果、筋損傷、炎症、痛みとなり、そのピークに達するまで1日から2日かかる。
歳を取ったから、筋肉痛が2日後に来たよというのは誤解で、遅発性筋肉痛がその正体。

それでハード練習で体に起こっている刺激に対し、栄養を取り休息することで超回復となり以前より強い体となっていきます。それ故、基本はハード&イージの原則に従い、オーバートレーニングを予防しなければなりません。

そういう意味では、回復日の回復走。どんな意味があり、どのように行うべきなんでしょうか?
完全休養したり、ウォーキングやプールで軽く泳いだ方が良いのじゃない?そんな疑問が湧きますよね。

アドバンストでは回復日の練習について、次のように警告しています。
・回復日にハードな練習を行ってしまう。
 その次のハード練習に疲れが残り、不本意な練習内容となり、焦って更にハードな練習を繰り返す。結果的にハード練習の質が落ちてくる。
・回復日に距離を稼ごうとする。

と言うことで回復日に回復走を行うなら、距離は短く、ペースも遅く。これは走力に寄りますが、私見ですが、月200km、走力サブ3.5で10kmも走ってしまうと回復走にならないんじゃないでしょうか。

回復走の効果は、走って血行を良くし、疲労物質(乳酸では無い)を除去し、筋損傷を修復する栄養素を筋肉に届けること。最高心拍数の76%以下。有酸素走の最低が70%なので70%で走れば良いことになります。
ちなみに、サブ3.5なら06'30/kmぐらい。サブ3なら、05'40/km。

アドバンストでは、それくらいの距離かは書いていないです。疲れないように短めとあります。距離は10kmは多いので5kmから多くて7kmでしょうか。自分の走力で考えると5km-8kmかなと思います。普段の練習量の4割りぐらいかなと思います。アドバンストでは、走る場所もなるだけ脚に優しい柔らかい所とあり、芝生、土などが良いようです。ウレタンチップのランニングコースも良いですね。

ウォーキングで3km-5kmを歩くのが良いのか、有酸素走の閾値ペース70%で5kmが良いのか、その分寝っころがって休むのが良いのかは、自分に合う方法を試すのが良いと思います。水圧、冷却効果で、プールでウォーキングは良さそうに思います。

また一説では、1kmベストの2倍のペースで走ると疲労抜きになるという話もあります。3'30/kmのランナーで7'00/kmです。これだとかなり遅いので脚の動きはマラソンペースと異なると思います。ただ、強烈な筋肉痛の場合、これぐらいのペースなら走れるが、05'40/km辺りは結構辛いかもしれず、良いペースなのかもしれません。
ゆっくり走って、血行を良くし、強張った筋肉をほぐす感じでしょうか。アドバンストでもリディアードさんもダニエルズさんも語っていませんけど、市民ランナーには当て嵌まる疲労軽減の運動かもしれません。

個人差も大きいので、回復走のペースも自分が一番回復するペースを探ってみて下さい。閾値ペース70%を試してみて、サブ3.5なら06'30/kmですが、06'00/kmが良いのか、07'00/kmの方が疲労、筋肉痛が軽減されるのか?
距離は何キロが良いのか? 5kmなのか8kmの方が良いのか? 10kmの方がリフレッシュされるのか?
ウォーキングの方が良いのか? 回復ならジョグもウォーキングも30分程度が良いかなと思います。

ハード1日、イージー2日で超回復パターンですね。セット練習のことも書こうと思っていましたが、長くなったので次回に。

今日は台風でランオフかと思っていましたが夕方は晴れて路面も乾いたので拾い物ラン <-物を拾ったわけじゃないです。
記事のテーマに合わせて、回復走を試してみようかと思い、柔らかい路面へ。2kmほど離れた小川沿いの土のジョギングコースへ。疲労抜きになるかと思いましたが、土日特に追い込んだ練習をしていないので、疲労しているというほどでも無し。ポイント練習は水曜日なので、有酸素走でマラソンの総合能力アップを図るということで、有酸素走の最遅ペース,05'30/kmでランニング。

今日の練習:
街中ジョグ 午後4時半。晴れ。風強め。
14.12km 1:16:27(05'24/km) 116(134) 177 104
9月累計 129km 練習日数 10日


水曜日のポイント練習(閾値走)に備え、頑張り過ぎない有酸素走。風も強く暑くないので、心拍が思ったより低く、平均心拍数が116、最高心拍数が134(ほんの暫く)。
HRMax 64.4%でした。
ペースは十分、閾値ペース70%以上に入っていますが、心拍的には、
ダニエルズさんのEペース範囲、65%-79%、アドバンストの回復走ペース、76%以下と最遅ペースラインか。
心拍はともかく、05'30/kmのペースは自分としてはマラソンペースフォームを維持できる速度なのでOKです。

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あたしの場合、とにかく追い込む練習をする傾向が強く、あたしのレベルは低いんですが、追い込めば強くなれると信じていますね・・・
まー、その結果がアキレス腱の故障になり、今後は追い込んだら翌日に回復走をしたいと思います。
40代後半でも、あきらかに20代とは違うんだなと最近実感しています。
野球だったら、技術でまだまだカバーできると思いますが、ラン歴浅いランニングは強度も高く、無理は即怪我や故障になるんだと十戒してます・・・

たのくるさん、こんばんは。参考になる良記事ペース速すぎっす(^^)

1年前の自分に読ませたいです。ラン暦浅いのに、サブ4から次へ進むときに、当時の練習記録を見返すと、Tペースぐらいの高強度で二部練、うまく走れたら、うれしくて翌日にはMペースでロング走とかして、なるべくして故障してました。ハード&ハード&ハード→小故障の循環ですね。無知な“ど素人”すぎました(笑)
今の自分には、回復走でついつい距離稼ぎをしようとするのを戒めるよい情報になりました。

わお!リクエストにお応えいただきありがとうございます!!

参考にさせていただきつつ練習に励みます。自分はサブ3.5ランナーなのですが、今までの回復走は距離もペースもオーバーしてますね。どおりで回復しないわけだw。

走っちゃうと距離をかせごうと思ってしまうのがいけないんですけど、わかっちゃいるけどってやつでして。これからは質の高いポイント練習のためと肝に銘じて回復層に臨みます。

たのくる様のお考えはどうでしょうか?

現在私はラン歴10ヶ月の40代半ばの男で
タイムはサブ3.5間近、練習頻度は、週2回で
中3日ほどです。メニューはマイアシックスを
基本にたのくる様が記事にしたダニエルさんの
練習強度を参考にバリエーションを加えています。

しかし9月になってから疲労を感じています。
6、7月にできていたことが、現在できません。
その際練習強度を落とすとして、距離でしょうか、
ペースでしょうか。

たのくる様の経験などをお聞かせ願えますでしょうか?現在の目標は10月の大井川です。
よろしくお願いいたします。

自分の練習の方向性が間違っていないのが裏付けられる記事で、「うんうん」頷きながら読ませていただきました♪

たのくるさんブログを参考に自分の練習を組み立てているのですから、当然なんですが^^

回復走、なかなか難しいです....
キツい練習の翌日に軽くジョグすると確かに足が軽くなる感じはあります。
ランナーの特性なんでしょうか、皆さんも書いておられる通り距離稼ぎしたくなっちゃうんで要注意ですけどね^^"

つい二日前も回復日にハードな練習をしてしまい、結果も不本意....
絵に書いた様な失敗をしたばかりですし(>_<)

台風の接近による予定変更で仕方が無いとも思っておりますが...

距離稼ぎも大事(?)ですが、やはり強度の強い練習をしないとレベルアップし辛いと思っております。

そのために、ポイント練習前日に刺激入れorポイント練習翌日に強度落として距離長めの二日でワンセット練習が最近の基本です。

そして細切れで休むより、意識的に二日間の連休も取る様になりました。

これもたのくるさんブログの影響が大きいですね(照)。

「回復走」距離と強度に注意してこんどやってみます。


あと、自分の実体験から疲労残りの時にバイクのローラー台で30分位クルクルやるとかなり足がほぐれる感じはあります。(軽いギア&高回転)


遅発性筋肉痛?!
まったくの初耳ですが、加齢により一日遅れで筋肉痛になると思って(諦めて?)いたので正直嬉しいです^^






ysさん

ポイント練習で見込める走力アップと通常の有酸素ランニングで見込める走力アップに何倍もの違いは無いそうで、ポイント練習1回で全体の1%程度だとアドバンスでは書いています。
ただその積み重ねが走力アップにつながり、緩いジョグだけより確実な走力アップが見込めます。
一方で故障リスク、オーバートレーニングリスクとの兼ね合いで、週間、月間での総練習量で考えるべきという考えも成り立っています。
要はバランスということですね。

よしまるさん

コメントが適度に入るようになり、読者さんとの双方向コミュニケーションが上手く回り始めたというところでしょうか。
Tペースの20分間走なら、朝、夜の二部練習は有りです。安全を取るなら夜は有酸素走、Eペース走が良いですけど。
セット練習はハード&イージの原則に反する練習ですが、その注意点を今日の記事に書いてみました。
ハードの3連続は故障リスク、大ですね。

seiさん

読者さんとの双方向コミュニケーションブログに変身したところなので、書けるリクエストはお受けします(笑)
ペースはキロ6分でもサブ4ペースでも大丈夫かもしれません。Eペースは結構速いので。
ただ距離は楽だからと伸ばし過ぎると疲れが取れませんよね。練習日誌やブログに回復走7kmとだけ書くより、10kmにしておく、12km行っちゃえとなり勝ちですが、そこは大人の自重ですね(笑)
ウォーキング30分なんかも回復には良さそうなので自分に合った回復方法を見つけて下さい。

rioさん

ラン暦10ヶ月でサブ3.5間近は、身体能力が高いですね。1回の練習内容が判らないので判断もつきませんが、週2回で中3日、40台半ばだと普通は疲労が残らないと思います。
市民ランナーなので同じ練習強度でも、仕事の多忙さ、睡眠時間、家庭の事情で疲れが取れない週もあると思います。一旦疲れが取れないと疲労残りのまま、ポイント練習を行い徐々に疲労が蓄積し、オーバートレーニングとなって行きやすいので注意が必要です。
6,7月に出来ていて、涼しくなってきた9月に出来ないとすると、猛暑の8月に頑張って走り、内臓の疲労なども蓄積しているのかもしれません。
一旦、Eペース、有酸素走などで1週間、運動強度を落とすなども良いかもしれません。
夏場の大汗、練習量で貧血などないかも留意が必要です。
練習の考え方として週の中にハード&イージを入れるというのもありますが、1ヶ月単位で考えて、3週間ポイント練習が入ったら、1週間は回復期としてジョグなどでリフレッシュするという期間的な練習パターンもあると思います。
10月の大井川に向けては2週間前から徐々に練習量を落として疲れが無い状態で本番を迎えるのが良いと思います。目安として2週間前、ハーフレース、1週間前、10kmか5kmレースなど。

e1128さん

ハード&イージの原則を書いた後に、今日の記事でセット練習の注意点を記事にしてみました。
仕事のある市民ランナーなので、土日を有効利用し超回復を利用した練習方法です。
まあ、それなりに故障リスク、オーバートレーニングリスクはありますが。
回復日のバイクローラーは良いでしょうね。何しろ着地衝撃がありませんし、脚腰は大きく動いて筋肉のほぐし、血流量の増加となって良さそうです。
マラソン練習はスピード練習も含めて遅発性なんです。うさぎ跳びとか、バスケットとか俊発系の練習は年寄りでもすぐに筋肉痛になります。
遅発性筋肉痛という言葉は、アドバンスト・マラソントレーニングで使用されていました。

ありがとうございました

たのくる様ありがとうございました。
たのくる様のご指摘通り、日頃の睡眠不足に加え、
北海道マラソンに出場したことも疲れを貯める原因
になっていたのかもしれません。

疲労抜きのジョグなど取り入れたほうが良いのかと
考えていたのですが、たのくる様の週単位でなく、
1ヶ月単位で回復期をつくる(私には思いつきませんでした)という方が、練習頻度も変わらず、私には
無理なくできるかなと思い、今後取り組んで行きたいと思います。

ラン初心者の質問にご丁寧に回答いただき、有難うございました。

rioさん

私の書いていることは一般論もあるので、rioさんご自身の体調、状況などに合わせて、距離やペースも色々試してみて下さい。
睡眠と栄養補給はとても重要だと思っています。
プロフィール

たのくる

Author:たのくる
埼玉県在住の市民ランナー。50代後半、男性。
Author名の由来:ランニングで楽苦しいのが好き?
2012年11月、つくばで初サブ3を達成。

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