蘇るサブ3ペース感覚

スポーツをやっていると、今まで出来なかったことがある時を境に急に出来るようになることがある。

今から30年も前の話だ。体育会ボクシング部の部員だったが、1学年上でボクシングのクラスも1階級上の先輩とスパーリングをした。スパーリングは、ヘッドギアと大きめのグローブを着けるが、リングに上がりパンチのやりとりをするもっとも実戦に近い練習。勿論、1階級上の先輩は手加減はしてくれている。パンチ自体はダメージが大きくないように最後は力を込めない打撃である。ただ、動きは恐ろしく速い。先輩の動きは素早くパンチも避けるのは難しかった。

1階級上だと体が一回り大きいのでリーチも長く、遠くから素早いパンチが飛んで来た。すっと避けれた。ボクシングのディフェンスは大きく分けると、自分の手を使ってブロックするガードと体を動かしてかわす二通りがある。

先輩のパンチを体を動かしてかわした。次に4連打のパンチが来た。気が付いたら全部かわしていた。先輩はやるじゃないかという目をしていたように思う。それ以来、パンチが良く見えるようになった。

ボクシングのディフェンスは紙一重でかわすのを良しとしている。次の動作に移りやすいからだ。相手のパンチを耳をかすめるように避けた時、相手は無防備そのものだ。同時にパンチを繰り出せば、面白いようにカウンターパンチが決まる。必要最低限の動きで攻撃をかわせた時、ボクシングの技も幅を増すのだ。

出来なかったことが急に出来るようになる。それは今までの練習の積み重ね、努力が実を結んだ成果だと思っている。奇跡が起こったわけではない。

時を経て。

昨年、つくばでのサブ3を目指してがむしゃらに練習していた。スピードは付いてきた。10km走も39分を切れたし、1500mも5分を切れるようになっていた。サブ3ペースの04'15/kmも当然、走れた。
だが、サブ3ペースで42kmは、とても持つとは思えなかった。サブ3ペースの04'15/kmというのは確かに速く、頑張らないと出せないスピードだったからだ。

ある時、コツを掴んだ。着地した反動をそのまま素直に受け止め脚の回転に変えるコツだ。楽にサブ3ペースが出せた。今までスピードを出すのにあんなに頑張っていたのは何だったんだろうと思えるように楽に走れた。
体から力みが消えていた。上半身はリラックスして、それが更に軽快感を呼び込んでいた。
しばらくして出場した荒川30kを2時間5分で余力を残して走り、つくばでのサブ3は達成できるだろうと思った。

つくば、勝田と2回連続でサブ3を達成した後、青梅マラソンの走りを切欠に脚を故障。走力の低下を余儀なくされた。
最近、やっとまともに練習ができるようになり、マラソンペースより速い閾値走で走れるようになった。ただ、つくば前に体感した、サブ3ペースで楽に走る感覚は失っていた。無理にサブ3ペースを作る感じだった。無理に作ると体に力みが生じる。皇居をサブ3ペースで走ったが下り坂でもペースアップできず、ようやくサブ3ペースで走ったというだけだった。忘れ去れた技術。失われた感覚だった。

昨日の激走で、サブ3ペース感覚が蘇った。着地の反発を素直に受けた。力を込めずに脚を回転させた。上半身はリラックスして力が抜けていた。

理由がある。激走のBクラスペース走は、サブ3ペース。先頭のペーサーは04'10/kmを正確に刻んで走ってくれた。走りに集中できた。ペースは信頼でき、そのまま着いて行くだけでサブ3ペースなのだ。つくば前のサブ3ペース感覚を思い出していた。

もっとも、身体的に余裕があったわけでは無い。心拍も上がっていたし、汗はシャワーを浴びたように流れていた。まだまだ故障の負債は返しきれていないのだ。ただ、息は上がっていなかった。

マラソンを力んで走っていては最後まで持たない。リラックスして出せるスピード感覚、それがサブ3ペース感覚だ。

そんなサブ3ペースの走りを思い出させてくれた激走に、Bクラスのペーサーを務めてくれたランナーに感謝したい。

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いつも通り長いけど、いつもと違うスタイルで書いてみた。
また忘れたら激走に行けば良いね。
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「激走」お疲れ様でした。

 大田原でのサブ3に向けての良い“きっかけ”になったみたいですね。

なんかいい記事だなぁ。
もちろん私はサブスリーペースでは走れませんが、ある日一つステージを上がった感覚があると、努力が報われた感じがします。
それを求めて走り続けてるような気がします。

リラックスして出せるスピード感覚。
極たまに感じることがあります。たぶん^^。

勉強になりました。ありがとうございます。

たのくるさん、こんにちは!

思わず読みいってしまいました(*^^*)

その感覚って大事ですよね!
私も4月まで3ヶ月故障していた時、故障明けの練習では足が地に着かない感覚でしたが、最近やっと以前の感覚を取り戻せるようになりました。

お互い激走を上手く活用して上げていきたいですね(^_-)

ペース感覚が戻ってよかったですね。自分は普段レースペースをすっかり忘れているので、レースで本当に走れるのかいつも不安なんです。1Kmのラップを見て4分前後で走れていたら、ホッとする感じです。今一番心配なのはやはり加齢による衰えがどのくらいなのかということ。昨年より走り込めてないのがその表れなのか、疲れが取れにくくなってきてるし、無理できなくなった。でもたのくるさんや同年代のランナーに負けたくない気持ちはあります。お互い前を行くランナーを追い続けましょう。

たのくるさん、こんにちは♪

ぱっきーさん同様、思わず読み入ってしまいました。
僕はスピードがなく、ほぼ全力に近いスピードで走らないとサブ3ペースになりません(笑)
ですからキロ4:15で走っている時には、このペースで42キロは到底無理だと感じてしまいます。
でも最近たのくるさんと同じように着地の反発を意識するようになったら、少しは楽にスピードが出せるようになった気がします(まだまだカメですが…)
今度お会いしたときに、是非いろいろとアドバイス頂きたいです!
アメリカ出張、気をつけて行ってきて下さい(^^)

マラソン応援隊さん、
ありがとうございます。
徐々に上向きで、大田原に持って行きたいと思います。これから暑いので結構大変だと思っています。

さぶろうさん、
今回はシリアス路線で書いてみました(笑)
ブログ村の皆さんはそれぞれの目標に向かって
頑張っておられるのでお互い刺激しあえて良いなと
思っています。
さぶろうさんとその内、練習したいです。

泰平さん、
力んでも長く続きませんよね。
力の抜き加減がマラソンペースなんだと今更ながら
思いだしました。

ぱっきーさん、
ぱっきーさんも最近、段々と調子が上がってきましたね。これから故障なしで夏を乗り切り、マラソンシーズンを迎えたいですね。
頑張りましょう。

新横の雅さん、
今まで力みがありました。加齢は自分も意識し始めていますが、抗うのもまた楽しいと思って頑張っています。新横の雅さんの存在も大きいですよ。
秋になったら30km走とか一緒に走りたいです。

ひでさん、
その感覚でよいと思います。
あとは絶対スピードを上げたら、04'15が相対的に楽に感じられると思います。
行って来ます。
プロフィール

たのくる

Author:たのくる
埼玉県在住の市民ランナー。50代後半、男性。
Author名の由来:ランニングで楽苦しいのが好き?
2012年11月、つくばで初サブ3を達成。

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