インターバル走

ダニエルズさんのランニング・フォーミュラ、インターバルトレーニング。
各種トレーニングと走力ごとのペース設定表は、この記事、トレーニング強度で。

長くなっちゃったので、今回は、要約を最初に書いておきます。

要約:
インターバル走は、最大酸素摂取量(VO2max)を向上させるトレーニングである。インターバル走での疾走時間は、3分間から5分間を推奨。走って2分間でVO2maxに到達し、以降の時間がVO2maxで運動した時間となる。速いランナーは1000m走より長い疾走区間で走るか、休息時間を短く取ると、VO2maxで運動した時間累積が大きくなり効果的である。一方、最長で5分間とすると、サブ4のランナーからが、1000m走のインターバル走を検討し始める走力である。ダニエルスの表で、フルマラソンより5km走が速い(VDOTが大きい)ランナーは高い方でインターバルペースを行って良い。インターバル走の休息時間は、疾走時間以下である。インターバル走で最初に速く走り過ぎると、次以降の走りで失速してしまい、VO2maxの運動にならず効果が低減する。
練習の上限は、10kmか30分以内。インターバル走のHRmaxは98%-100%と強運動。

以下、詳細。

きつい練習の代名詞、インターバル走。頑張れば速くなるのか、根性がつくのか。
インターバル走をどのように実施した時、効果が上がるのか。きつい練習をやるのだったら、効果を上げたいですよね。頑張って吐きそうになったのに、大して効果が無かったら

ダニエルズさんのインターバルトレーニングでは、目的として、有酸素パワー(VO2max=最大酸素摂取量)を刺激するとあります。最大酸素摂取量とは何でしょうか?

全身持久力の指標の一つですね。マラソンの走力では、VO2maxの他に、乳酸性作業閾値(LT値)が速い速度で長く走れる指標の一つです。最大酸素摂取量。漢字から何となく解りますが、体で利用できる最大の酸素量。単位時間単位体重あたりで表すので、ml/kg/分のような単位。

肺から取り込まれた酸素が、肺の中(肺胞)の毛細血管から、二酸化炭素と交換するように血中に取り込まれます。酸素は血中のヘモグロビンと結合して、全身に行き渡って行く。結果的に、細胞内のミトコンドリアは酸素を取り込みエネルギーを生産する。

最大酸素摂取量を増やすには、心拍出量(要は心臓が大きく、ポンプ処理能力が高い)、血液量が多く、さらさらと流れる。血中のヘモグロビン数が多い。これはポンプ系ですね。

骨格筋のミトコンドリアが多い。酸素貯蔵量が多い。酸化酵素が多い。毛細血管が発達している。インフラ系。

これらが総合されて最大酸素摂取量が向上するとのこと。毛細血管の発達やミトコンドリアの増加は、低強度運動でも行われるので、インターバル走だけがVO2maxの向上に寄与するわけでは無いようです。ただ、一方のポンプ系の要素は、低強度運動では刺激されにくいので、速いペースでの心肺への刺激が必要になってくるのですね。

VO2maxの増大に一番効果的なのは、インターバル走となっています。インターバル走はきついトレーニングの代表で、それに耐ええる体力を養成するには、まずEペースやMペースの基礎作りから。

それでは、VO2maxを効果的に向上させるインターバル走はどうやるのが良いのか。ダニエルズさんは詳しく説明してくれています。連続では10分間か15分間ほどしか持続できないペース。インターバル走ペースである、Iペースは、きつい速度です。長い間、維持できないし、かと言って短過ぎると、ピークに来るまでに終わってしまって、VO2maxの刺激にならないそうです。

ダニエルズさんは、3分から5分間の疾走時間を薦めています。そのランナーのIペースで走り始め、VO2maxのポイントに達するまでは、2分間ほど掛かる、それ以降の疾走時間がVO2maxの刺激時間だそうです。
例えば、疾走時間が4分のインターバル走なら、最初の2分が、VO2maxへ達するまでの走りで、残りの2分間がVO2maxを刺激する練習。5本やれば10分間のVO2maxで走る時間となる。

ここで、より速いランナーが03'00/kmの1kmインターバルを5本やったとすると、VO2maxの累積時間は、5分間に過ぎないことになります。より長いVO2max累積時間を稼ぐには、インターバル走の休息時間を短くし、回復しきりらない間に次の疾走を行うことです。200mでレスト60秒とか90秒とか間の短いインターバル走をやっている方も居られるでしょう。それがより効果的だったのですね。

一方で、休息時間が短すぎて、何本目かからペースがIペースに達しない場合、VO2maxの累積にならないそうです。乳酸が溜まり回復しきらない間に、次の疾走があったために、ペースを維持できなかったなどですね。これはきつい練習をしたのに、それに見合った効果が得られないので避けるべきだそうです。

より速いランナーの場合、1000mインターバルでなく、疾走時間を5分以内に収めるとして、1200m走、1600m走などのインターバルがVO2maxの累積時間が長くなり効果的。この場合、休息期間が仮に長くても、疾走時間が長いから累積時間も増えますね。しかし、考えただけで、きつそうなトレーニング。

例を挙げると、上のトレーニング強度記事の強度表を開きながら見てもらって、1000mで5分以内に収まるのは、VO2max(VDOT)が38の走力。フルマラソンのタイムで言うと3時間59分35秒。
丁度、サブ4のランナーですね。Iペースは04'54/km。サブ4もサブ3.5もスピードトレーニングは不要と考える人もいますし、スピードトレーニング無しでも達成できるでしょう。ただ、練習強度で鍛える目的が違うから、インターバル走が不要というわけでも無いでしょう。マラソンペースや閾値ペースがより余裕を持って走れるようにもなりますから。それにサブ4が最終ゴールじゃないとしたら、インターバルトレーニングはやっておいても損は無い。サブ4を狙う人なら、足腰は鍛えられているでしょうからインターバル走にも耐えられる。

サブ4をまだ達成していないランナーさんも、短い距離は速い方も居られるます、そのランナーさんは、04'54/kmのインターバルだと遅くて楽々こなしてしまうでしょうね。その場合は、5kmレースの結果などから、VO2max値を出して、該当するIペースで練習した方が良いと思います。

1200m走インターバルで5分以下となるのは、VDOT 46、フルマラソンで3時間24分39秒のランナー。5km走だと21分25秒。

1600m走で5分以下となるのは、VDOT 66、フルマラソンで2時間30分36秒とほぼ、琵琶湖級ランナー。福岡国際級ランナーだと、VDOT 61で、1000mを3分20秒、1200mを4分。1500mが5分ですね。福岡国際ランナーの場合、1000mを5本で回復させて行うと1分20秒x5=6分40秒の累積時間。1200mを4本だと2分x4=8分。1500mを3本だと3分x3=9分。となり、疾走距離はそれぞれ、5000m、4800m、4500mなのに、VO2max刺激時間は1500mが最大となります。

もっとも、さきに書いたように、1000mでも回復し切らずに、インターバルを行えば累積時間は大きくなりますが、じゃあ、レスト何秒だとどれくらい回復していないので、VO2max時間が何秒余計に累積されたか、これは判りません。

福岡国際級だと、1000m走インターバルや、1500m走インターバルなど交えてやるのが効果的かなと思います。しかし、1500m走を4本とか、きついですけどね。VO2maxへの効果だとそうなります。

サブ3だと、VDOTは54、フルマラソンが2時間58分47秒。5kmだと18分40秒。Iペースは、1000mで3分41秒。1200mで4分25秒。400mトラックが使える人は、1200m走インターバルを4本とか5本というのも効果的かも。これも、しんどいけど。

2000mインターバル走も行われていますが、長いので速いペースを維持できずに、Iペースより遅いペースで走っていた場合、VO2maxの刺激としては、効果が低くなるのかな。Iペースで2000mを5分以内で走れるのは、トップクラスでも無理で、VDOT 85、フルマラソン 2時間1分10秒で、Iペースは1000mを2分33秒です。

2000mインターバルの場合は、閾値よりかなり速いペースでの乳酸性閾値の向上と、速筋を鍛えるトレーニング、
それとVO2maxへの刺激は、Iペース走よりは劣るが有るという感じでしょうか。2000m 5本とか、スピード持久力は鍛えられそうで、無駄じゃないですが、きつそうですね。
もっとも、Iペース自体は、10分間から15分間持続できるペースなので、何本も出来ないけど、Iペースで2000mや3000mを走るのも有りでしょう。でも、しんどそう。隔週とか毎週とかやる気がしませんよね。

と言うことで、最大酸素摂取能力への刺激は、VO2maxへ達した後の累積時間を意識するとより効果的ということでした。

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奥が深いぜ、インターバル走。
1000m 5本、休憩短めと1200m 4本、休憩長めとどっちがお好み?
どちらも、「つらい」練習ですね。
1500m走 3本。これは本当にしんどそう。

今まで運動していない人が走り始めた場合、ジョグでもVO2maxは向上するそうです。心拍出量も向上する。慣れて来るに従い心拍出量の向上は低くなり、インターバル走などで刺激を与えないと大きな向上にならない。運動強度とマラソンのパーフォマンスを向上させる要素との相関表をまとめたいと思いますが、Iペースに達しないから、VO2maxが向上しないというわけじゃ有りませんので。Iペースが一番効率的というだけです。

あ、むちゃ、長い

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興味のある内容ですのでそれほど長く感じなかったですよ(^^)
私の場合、適性ペースよりやや速いことと休憩時間が長いことが改善点のようです。
インターバルというよりレペだったのかもです。
何れにしてもキツイ練習です(^^;;


なるほど

そうだったのか
最近1kmインターバルの速度が上がらないと思ってましたが、
もしかして速く入り過ぎ(3:20/km近くになって、後は失速してた)、そしてレストが長過ぎだったかも
485mのコースなので、スタート位置に戻ると400m近くレストしてた(>人<;)
速度落として、1300ぐらいにすると
効果ありそうですな
試してみます。(^-^)/

よんたろうさん、
長くても読んでもらえる読者さんに絞って、わざと長く書いていますから(嘘)。
休憩が長くても2分疾走以降はVO2max累積時間なので、インターバル練習にはなっています。
短い休息かつペース維持なら尚、効果的ということですね。キツイですけど(笑)

takakiさん、
そうらしいのですよ。ペースが落ちたらVO2maxへの刺激は少なくなる。もっともじゃあ無駄かと言うとそんなことは無いと思います。より速い閾値走になりますし、閾値走もVO2maxへの効果は有りますしね。ダニエルズさんは、設定ペースより落ちたらだめだと書かれていますけど。

今まで避けてました

たのくるさん こんにちは
改めて昔の記事も読み返させてもらいました。インターバル走って今までまともにやったことがなかったのですが、何分と区切ってもらえばできそうですね。どのくらいのペースで走るかも今まで本当に何も考えていなかったのでスピード出しすぎて失速していたようです。暖かくなったらやってみようかなと思いました。ありがとうございました。

proceed2600さん、
本を読んでみて、インターバル走、なかなか奥が深かったですね。
2000m走インターバルは、VO2maxの練習としてはあまり効果的でないなど、ちょっとおおっとなりました。閾値走もそうですが、適切な設定ペースで走ると練習効果があるので大切ですね。
頑張ったのに効果が少ないと勿体無いですよね。

質問です!

ペースと休息時間について教えていただきたいです。
私の走力、1km 4:13、1500m 6:31、5km 24:19、初フル3:53:46なのですが
ダニエルズさんの強度39か40、どちらでしたほうがいいのでしょうか?
因みに、2回目のフル目標は3:45です
1kmのインターバル走を予定しています。
仮に40のペース4:42で1km走るとしたら、休息はどれくらいとればよいでしょうか?
心拍計ありますので130くらいまで下がればいいでしょうか?
40歳なりたて女子でございます!
長文ですみません
たのくるさんのブログ見てダニエルズさんに興味持ったので本早速注文しました!

ヘベレケネエサンさん

承認済みなのですがFC2システムが不調なのか、何故かコメントが表示されません。
今日の記事にしましたのでご覧下さい。
プロフィール

たのくる

Author:たのくる
埼玉県在住の市民ランナー。50代後半、男性。
Author名の由来:ランニングで楽苦しいのが好き?
2012年11月、つくばで初サブ3を達成。

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