ダニエルズさんの表を使った練習プログラムの組み方

カテゴリ、ダニエルズさんのコーナーで同じような事をさんざん書いて来ましたが、改めて今の時点で考えを整理していみたいと思います。

まず、フルマラソンで速くなるための要素とそのための練習メニュー:

1) 心血管系、心肺系の機能を向上させる。

マラソンレースペースより遅く走るイージペースのランニングが適している。もちろん、そのスポーツに習熟するにはそのスポーツ自体を行う事が良いという「トレーニングの特異性」からすると、マラソンレースペースがフルマラソンの練習には適しています。
ただ、夏場を含め継続的に行っていく上で、マラソンペースは強度が比較的高く疲労も残りやすいのでレースシーズに入って仕上げで行うこととして、定常的にはイージペースのジョギングやロング走が取り組み易く効果が期待できると思います。

2)活動筋の働きを向上させる。

上の1)と合わせて、ランナーの総合的な能力を向上させると言う意味になりますが、これも継続して取り組み易い、イージペースランニングが適しています。
1と2は、マラソンランナーの基礎力ですね。

3)乳酸性作業閾値を向上させる。

フルマラソンのレースペースと高い相関性を持つ乳酸性作業閾値ペース(閾値ペースと呼んだり、Tペースと呼んだり)を向上させるトレーニングは、そのものずばり、閾値走です。

閾値ペースはランナーが50分程度継続できる強度が高めの運動。
毎週行うには、1回20分間程度走る20分間閾値走←名前のまんま(笑)が疲労度と効果のバランスを考えると適しています。

閾値ペースよりキロ当たりで10秒から15秒程度遅いペースがマラソンペースとなりますので、マラソンをより速く走るためには、閾値ペースを向上させる事が重要だと考えています。

4)有酸素性作業能(VO2max)を向上させる。 正確にはVの頭にドットを付けます。

酸素の運搬能力や筋肉が持つ酸素利用能力、ひいては筋パワーを向上させますが、練習としてはインターバル走が有名。
フルマラソンの練習としては、閾値ペースを頭打ちにさせないためにVO2maxの向上が必要だと思っています。
閾値トレーニングより重要度は低いと思っています。苦しい練習ですがやった分はそれなりに有効だと思います。

5)ランニングの経済性を向上させる。

経済性と呼ぶ通り、同じエネルギーならより速くより長く走れる能力です。
フォームを改善して行くことが重要だと思っています。フルマラソンの記録向上の重要要素だと思っています。

レペティションと呼ぶトレーニングですが、市民ランナー的には、ウインドスプリント走(=流し)を習慣的継続的に実施する事とマラソンペース走やイージランニング走でより洗練されたフォームにして行くことで実現できると思っています。
イージランニングで脂肪燃焼効率を向上させる事もランニングの経済性に寄与すると思っています。

前置き的な話が長くなりましたが、ここからは走力ごとにダニエルズさんの表を使って、上記のトレーニングをして行くための話です。
まず、自分の走力をダニエルズさんの計算機を使って把握し、それぞれの練習ペースを理解します。

ダニエルズさんの計算式のリンク:
ダニエルズさんの計算式

この計算機で練習ペースを把握するには、最近のレースや練習結果などで一番良いタイムを入れてみます。

入れると、VDOT値という所にスコアが出ます。高い数値ほど走力が高いことを意味します。

入力のタイムは、フルマラソンやハーフマラソン、10km走などですが、ランナーそれぞれ特徴がありスピードタイプのランナーは短い距離ほど高いスコアが出て、スタミナタイプのランナーだとどのレースでも同じようなスコアだったり、フルマラソンが一番高かったりします。

例として、フルマラソン3時間45分を入れてみると、

VDOT=42.2 が表示され、Trainingというタブをクリックすると、上に書いた各練習のペースが出てきます。

Easy ペース 05'51/km〰06'13/km Eペース

Marathon 05'20/km ←まあ、当たり前です Mペース

Threshold 04'53/km ←これが閾値ペース Tペースです。

Interval 04'29/km ←インターバル走を行う時にペース Iペース

Repetition 04'14/km Rペース

ちなみにEquivalentというタブをクリックすると各レースの予想タイムが表示されます。

さて、練習メニューですが、上記のフルマラソンを速くなるための要素、「心血管系心肺系と活動気の働き」は、Eペースを中心とした比較的長めのランニングを週1回程度、夏場は15kmから20kmが限度でしょうか。ランナーの能力によりますけど。
もっと短め10km程度のEペースはランニングの習慣で週2、3度入れられたら入れる。

「乳酸性作業閾値」は、04'53/kmで約20分間、距離にするとおよそ4km程度走る練習を週1回程度。

「VO2max」はサブ3ぐらいになってから開始しても十分な気もしますが、お好みで週1回程度。1000m走 5本を目安に。

そして重要な練習として「ランニングの経済性の向上」をはかるウインドスプリント走(流し)をEペースの途中や終わりに行います。
100m程度の流しなら4本、時々距離も150mにしたり、200mにしたりして、合計500mか600mを目安に走ります。これを週2回程度。

上の例ではRepetitionペースは04'14/kmとなっていて、100mなら25秒、200mなら50秒で走るペースとなります。
実際にはもっと速く走っても構わないし、短い距離ならマラソンの走力に関わらず走れると思っています。
力まずリラックスして大きなフォームで走っていれば良いと思います。
100m全力走の90%~70%で走れば良いと思います。

河川敷のざらついた土や公園などの土の上で走ると、重心真下着地で走れていないと滑るため、フォーム修正には土のフィールドが適しています。足裏で蹴ってしまいふくらはぎを使うフォームも修正しやすいです。

週単位で見ると、フル3時間45分のランナーさんは、

20分間閾値走 04'53/kmを目安に4km少し、1回か2回。

Eペースロング走 06'00/kmを目安に20㎞走(夏場)は1回。レースシーズンはもっと長くします。
Eペース走 05'51/km〰06'13/kmで10kmを2回。普段のジョグ。

流しはEペース走の時に2回から3回。
という感じでしょう。

20分間閾値走の運動強度では物足りないと言う方は、上の練習効果全部入りのビルドアップ走も良いかも知れません。

強度の高め、カミ式ビルドアップ走。
やり方:
3段階と1km全力、1段分は3km~5kmとお好み、体調に合せて。ラスト1km全力もお好みで。
1段目 Mペース
2段目 MペースとTペースの中間
3段目 Tペース
1kmおまけ Iペースを目標にそれ以上か、走れる範囲で。

普通のビルドアップ走。
1段目 Eペース
2段目 Mペース
3段目 Tペース

もっと緩めのビルドアップ走。
1段目 Eペースの下限ペース
2段目 Eペースの上限ペース
3段目 Mペース
など、お好みで。

ちなみに、
「5kmの3段、1段目が目標Mペース、2段目1分、3段目さらに1分半速く走る。」
岩本式ビルドアップ走は、サブ3.5の設定では良いですが、サブ3の設定では3段目がサブ3のTペースを15秒も速い03'45/kmとなり無理が出てきます。

練習で使うVDOTですが、より速くなるために現在の走力で表示されるVDOT値よりも1程度高いVDOT値の練習ペースで取り組むのは多少きついですが、効果もあると思います。

走力が上がれば、そのVDOT値の各練習ペースで行います。
ロング走は距離を伸ばしても良いと思います。より速く走るので練習時間は変わらないし、脚も出来てくるので。

20分間閾値走は走力が上がっても20分間のままです。ペースが上がるので走る距離は長くなります。

カテゴリ、ダニエルズさん
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こんにちは。

このたのくるさんの記事を私のブログに
【走って、パパして、仕事して。ときどき夫。。】に添付させていただきました。
事後報告で申し訳ございません。
この間、ご自由にとコメントをいただいておりましたので甘えさせていただきました。

今後ともいろいろ参考にさせていただきます。

ごぶさたしています

ずいぶん前にコメントさせていただいた武庫川河川敷ランナーです
いつも、ブログ見て参考にさせていただいています
今回の記事、私の秋の目標タイムなのでとても勉強になります!

初レースの福知山3:53後、能登万葉の里に出場し、20kmまで25分台で走るも、左すね外側がつり大幅ペースダウンで3:54
4:40で20分走る練習繰り返してたんですが
ラン歴1年半の現在、6:00→4:30の10kmビルドアップ走後、左ふくらはぎ内側に痛みが出てランオフの日々です
強度を上げると痛みが出てしまいます
なかなか思うような成果があげられず怪我ばかりで焦ってしまいます
まだまだ足が出来てないからですかね

神戸マラソン、当選したので、お会いできればいいですね!

Choeiさん

ご参考になれば幸いです。
いつもこんな程度の記事なのでわざわざ紹介して頂くほどのものでは無いですけどね(笑)

ヘベレケネエサンさん

お久しぶりです。
脛やふくらはぎが痛くなるのは、細い筋肉なのにそれらを使う走りになっている事が考えられます。
膝から上の大きな筋肉で走る事がフルマラソンでは重要だと思います。
足裏で蹴る走りになっていないか意識したら良いと思いますが武庫川河川敷は足裏で蹴るとずるっと滑りやすいのでチェックに最適です。そこで流しなどをやると良く判ります。
痛みが出る場合、フォームの改善に取り組んだ方が良いと思います。どこか自分で気づかない改良ポイントがあると思います。
行くのが多少面倒ですが、ミズノのF.O.R.M.を予約してフォームをチェックしてもらうとプロコーチからフォームの改善点を教えてもらえるので良いと思います。
神戸マラソン当選、おめでとうございます。
たぶん、関西ブロガーさんと現地集合しますのでそこに顔を出して頂ければお会いできるかなと思います。
アフターもどうですか?とまだ先の話なのでまた記事にしますね。

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ヘベレケネエサンさん

秘密コメントですが、回答内容からどなたか判るのと差支えの無い内容だと思いますのでお名前を入れました。
ベーシックコースしか受けた事が無いので、プレミアとどちらが良いかは正確に答えられないのですが、プロコーチに詳しく教えてもらいたいとするとプレミアでしょうね。値段も倍ですが、時間も倍ですから。
ベーシックでも自分の走りの癖が判り、アドバイスも貰えます。
走った後に、膝から上の筋肉に疲労感があり、ふくらはぎや脛はそれほど無ければ、OKだと思います。
カーフレイズは、たぶんそれほど太くならずに鍛えられると思うので試されてはどうでしょう。
足首周りの強化にもなるそうです。
プロフィール

たのくる

Author:たのくる
埼玉県在住の市民ランナー。50代後半、男性。
Author名の由来:ランニングで楽苦しいのが好き?
2012年11月、つくばで初サブ3を達成。

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