Iペース走

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今日は閾値走より更に速いペースで走るインターバル走、Iペース走です。
Iペース走のペースは有酸素運動で最大限の力で走る運動強度が極めて高い運動です。
研究者の中でも意見が分かれているようなので、無酸素運動と有酸素運動をここでは触れません。

Iペースの運動強度は、そのペースをおよそ11分間だけ継続出来る速さです(ランニング・フォーミュラ第三版)。
インターバル走はIペースで3分間から5分間の疾走と疾走と同じ時間かそれ以下のジョギングでつなぎ何本か繰り返すトレーニングです。

マラソンの記録向上に関係が有る要素として、最大酸素摂取量(VO2max)、ランニングの経済性、乳酸性作業閾値が有ります。

インターバル走は最大酸素摂取量を向上させるためのトレーニング。最大酸素摂取量は若いうちに決まってそれ以上伸びないと言われたりしていて個人の上限はあると思うのですが、市民ランナーとしては鍛えれば個人の能力の上限までは向上するのだと思います。また若い頃に鍛えていなくても、個人の上限までは中高年でも伸ばせて、その上限がどこかは個人差だと思います。

およそ11分間だけしか走れないペースと言っても試してみないと分らないので、有名なダニエルズさんの表で自分の現在の走力から、Iペースがどれ位なのかを確認します。走力に寄りますが3000m走の全力ぐらいのペース、5000m走のペースだと少し遅いくらいでしょうか。

1本当たり5分間以内にしているのは、5分間以上走ると血中乳酸濃度が上がり過ぎ、2本目、3本目が続けられなくなる恐れがあるためです。
また3分間以上としているのは、最大酸素摂取量に達する刺激を得るまで疾走開始からおよそ2分間かかるため、短過ぎても効果が薄いためです。

2本目以降はつなぎジョグの時間を短くする事で2分間の手前で刺激時間に達しますが、ではどれだけ短くジョグをすれば早く発動するのかと言うと個人差があり一概には言えません。インターバル走はVO2maxを向上させる刺激時間の累積だと考えると、つなぎのジョグは疾走時間かそれより短い時間にして、疾走時間から2分間引いた残りが1本当たりの刺激時間と考えると計算しやすいです。

3分間の疾走なら一本当たり1分間の刺激時間で5本やれば5分間。4分間の疾走なら2分間と見積もれます。
もちろん、つなぎ時間を60秒など短くし十分回復しないまま次の回をスタートすればより早く刺激時間に到達します。

つなぎ時間を短くして練習するデメリットは、十分回復出来ず、次の回で設定ペースより遅く走ってしまうことです。
呼吸や脚が苦しいから十分に練習になっただろうと思うとそうでは、頑張る根性はつくと思いますが、最大酸素摂取量を鍛える効果は低下します。設定ペースを守る事が大事なのですね。
ただし強風や炎暑など厳しい環境下で走る場合はIペースより遅くても効果は有るそうです。その場合、心拍数から運動強度を推定すれば良いと思います。
もっと経験的には真夏でもIペース走は走る時間も距離も短いので脱水が進む前にやってしまえば、Iペースの設定通り走れるものです。
真夏はむしろロング走の方が脱水が顕著になりペースの維持が厳しいです。

通常、1本1000mを5本か6本走るインターバル走を実施しているランナーが多いと思います。
累積刺激時間という点では、3'30/km以下のペースで1000m走だと1本の刺激時間は90秒以下。走力のあるランナーは、つなぎ時間を短くして走っているのも一般的かと思います。Iペースが03'30/km以下のランナーの場合、1本を1000mで無く、1200mにするのも効果的です。もっと速いランナーなら、1400mから1600mにする事も効果的。

ダニエルズさんの表を見ると、Iペースは何列か有って、1000mのIペースは、VDOTが36のランナーからしか登場しません。1本当たり5分間以内が適正な疾走時間だと定めているからですね。
同じ理由で1200mのIペースはVDOT=46から登場し、その疾走時間は5:00ジャスト。Iペースで5分間の疾走は間をどれだけ休んでも最低3分間の刺激時間が得られます。その分、たいへんきついとは思います。
1000mが3'30/km以下のランナーだと1200mに変えて1本当たり4分間以上の疾走時間とする事で1本当たり30秒以上も刺激時間が増えます。

Iペース走は、きつい運動であるため、量的な制限をランニング・フォーミュラでは設けていて、週間走行距離の8%もしくは10kmの少ない方。ジョグを含めて週に50km走っているランナーだと4kmの疾走距離となり、1000mだと4本。800mだと5本。
1本が3分から5分に収まるように走ります。

代表的な走力で例を挙げると。
サブ4:VDOT=38  Iペース=04'54/km
サブ3.5:VDOT=45 Iペース=04'16/km
サブ4とサブ3.5で随分、速くなりますね。それだけ走力が違います。

サブ3.15:VDOT=49 Iペース=03'59/km
サブ3:VDOT=54 Iペース=03'41/km

ちなみに、Tペースは順に
5'19 4'38 4'20 4'00
Mペースは順に
5'41 4'56 4'36 4'14

それぞれをM、T、Iペースで並べた方が分り易いですね。
サブ4: 05'41 05'19 04'54
サブ3.5: 04'56 04'38 04'16
サブ3.15: 04'36 04'20 03'59
サブ3: 04'14 04'00 03'41

ちなみに、福岡国際マラソン資格の2時間40分以内は、VDOT=62となり、Iペースは、03'17/km。
先に書いたように1000mだと刺激時間が短いのでつなぎを短くするか、1200m走にして03'57間、疾走する方が良いと思います。

わりと良く言われている事だと思いますが、「サブ4まではスピード練習をしなくても到達出来る」「サブ4の練習でインターバル走は必要では無い」
この事自体は間違いでも無く、スピード練習は着地衝撃も大きいため、故障リスクを考えたら他の練習に時間を使った方が良いし、ロング走などでスタミナをつける方が重要なのだからと思います。
フルマラソンのタイム向上で自分に取って何を鍛えるべきかを考える事がポイントで有り、スピード練習が必要なら実施すべきだと考えます。

サブ4を狙っているランナーでもスピード型の方は5km走など速いタイムで走る人も居てそれぞれです。
ダニエルズさんの表は絶妙に良く出来ていて、1000mのIペースが5分間以内に収まるのはサブ4であるVDOT=38から。
こう言った処からサブ4まではインターバル走は必要無いと言った指導がされたのかも知れません。

サブ4まではスピード練習は、流しと閾値走やジョグの途中か最後にペースアップなどで十分かと思いますが、インターバル走をやったら駄目と言う事は無く、一本が5分間以内に収まるようにペースと距離を設定して走っても良いと思います。

Iペースの心拍数ですが、ランニング・フォーミュラでは最高心拍数の98%~100%となっています。実際に走ってみると100%まで行かない事が多いように思えます。体験的には、最高心拍数の95%~98%程度のように思います。

アドバンスト・マラソントレーニングでは、VO2 maxインターバルという名前で登場し、同じトレーニング目的です。
運動強度は少し弱く、5kmのレースペースで最高心拍数の93%~95%と書かれています。少し弱めでも効果はあるとしています。
つなぎ時間の目安としては疾走時間の50%~90%の時間をジョグせよと書かれています。

5kmのレースペースは、ダニエルズさんの表のIペースより、少し遅いと思いますが、そのペースから始めて、きっちりとペースと本数を消化できたら、Iペースに上げてみるのも良いと思います。

トラック練習では、400mのインターバル走を10本~20本行うことも有りますが、VO2maxへの刺激と言う目的では、つなぎ時間をよほど短く(例えば30秒間とか)にしなければ、刺激時間に到達する前に疾走が終わってしまうか、1本当たり少ししか累積時間が得られない事になります。
400m走は、速力アップとランニングの経済性を高めるためのRペース走で実施がインターバル走より向いているように思えます。

ダニエルズさんの表で自分のIペースを探す時は、直近の自分のレース結果で一番VDOT値が高い物で良いと思います。
フルマラソンより5km走のVDOT値が高いなら5km走の物で良く、フルマラソンのIペースを使ってしまうと、スピード型のランナーの場合、Iペースが遅く楽過ぎて効果が得られないですから。
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テーマ : ランニング
ジャンル : スポーツ

プロフィール

たのくる

Author:たのくる
埼玉県在住の市民ランナー。50代後半、男性。
Author名の由来:ランニングで楽苦しいのが好き?
2012年11月、つくばで初サブ3を達成。

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