辛い練習と練習効果

ジャック・ダニエルズさんのランニングフォーミュラ第3版2章目に次のような言葉が出て来ます。

「トレーニングの原理をよく理解していれば、オーバートレーニングのリスクを最小に抑えつつ、トレーニングから最大限の効果を引き出す事ができる。
最も大きな効果は、最もきついトレーニングではなく、最も少ないトレーニングで狙うものだということを、覚えておいてもらいたい」

もっともですね。
ただフルマラソンはメンタル面も大きいため、きつい練習を頑張ったという事は無駄だとは思いません。
メンタル面も大事だと思いますがトレーニングは根性論で何とかなるものでも無いのとも思います。

走力を上げるためのトレーニングで楽な物は無いと思います。きつい割に効果が少なかったら勿体無いですよね。

きついトレーニングと言えばスピード系のトレーニング。
トレーニング目的と効果が低くくなる状況。

インターバル走:
有酸素能力(VO2max)の向上。
詳しくは過去記事。過去記事、めちゃ長い(笑)
インターバル走

インターバル走の適正ペースが04'00/kmだとすると、疾走開始から2分後に有酸素能力を向上させる刺激が入ります。
この例だと1000m走が4分間なので2分間の刺激時間を得られます。
キロ4分ですから、500m地点で2分間を迎え、残り500m、2分間がトレーニング効果を得られる時間。

長く走ればその分、刺激時間も多くなりますが、きつさも大きくなり、疾走時間は5分間を超えない範囲でとダニエルズさんは書いています。
この最初の500mを2分じゃ無くて1分50秒で入って3'50で走ったら、その効果は?

速く入っても疾走時間2分目からで有って、3'50で走ったら、刺激時間は1'50。
4'00できっちり走るよりも刺激時間が短くなる。

5本のインターバル走を計画していて、1本目、2本目と3'50で走り、頑張り過ぎて、3本目以降はもがきながらも4'10で走り切った。
この効果は?

適正ペースより遅いとVO2maxで走っていることにはならない。
きつく頑張った割には目的を達成していない練習となります。

この例の3本目以降はフォームを乱しながらも頑張って走った割には効果が低いと勿体無いですね。フォームを乱した分はマイナスです。

尚、つなぎジョグ時間を短くすれば2本目以降の刺激時間は疾走開始2分間以内から始まります。その見極めは難しいのですけどね。

追記。
書かなくても理解頂いていると思いますが、効果時間がきっちり2分間と言う訳では無く、統計的に2分間近辺で発動する事が多いのだと思っています。
上の例では速く走ってしまった1本目、2本目の損得を言う積りは無くて、ペースダウンしてしまった3本目以降は苦しい割に本来の効果を得られていないと言う事です。

閾値走。
乳酸性作業閾値を向上させ、より速いペースで走れるようにする。
過去記事、これも長い(笑)
閾値走

適切な閾値ペースが04'00/kmだとして、03'55/kmで走ったら、その効果は?

閾値走の場合、オーバーペースでも乳酸処理能力を鍛える目的は達成できると思います。
何故なら、体が強い運動刺激で生じた筋肉中の乳酸を閾値を超えたからと言って諦めたりせず、一生懸命、処理は続けると思うからです。
余りにもオーバーペースだと、乳酸処理が追いつかず、脚が動かなくなってしまいますけど。

またオーバーペースだと、後半疲れてしまい予定時間の20分間を走り切れ無いか、走ってもペースダウンしたら、ペースダウン以降は刺激が薄くなると思います。

20分間閾値走は、適切な閾値ペースかそれより少し速く20分間走れるか否かかと思っています。
ただ速く走れば良いかと言うとその分、疲労度も増しますし、速く走っても20分間走らないと行けないので適切なペースで走る方が得ですね。
 
オーバーペースとその後のペースダウンは、きつい割に効果は少なくなる事は理解出来るのですが、では、適切なペースより最初から遅かったらどうでしょうか?

これはオーバーペース後のペースダウンと同じで十分なトレーニング効果が得られません。

何が適切なペースか分からないかも知れませんが、ダニエルズさんの表や心拍数から自分の適切なペースを探って行く。

ただ一つ注意する事は、疲れていては、本来の適切なペースで走れない事です。
疲れた脚でスピード練習をしても辛い割に本来の目的のためのスピードに達せず、効果が薄くなってしまいます。

上の例だと適切なインターバルペースが4'00/kmのランナーが、ある日の練習で脚が最初から疲労していて4'10/kmが頑張った最高速度だとしたら、目的は達成していないと思います。

心拍計で心拍数を見ていると適切なペースは分かりますが体調の影響も有りますね。
ただ脚が疲労しているともがいて頑張って走っても本来の適切なペースに達していないと心拍数は上がっていないものです。
心拍数を見れば、目的のトレーニングか出来たか判断できます。
体調、天候で絶対的な指標では無いですが目安にできます。

本来の適切なペースで走り切るために、スピード系の練習は、脚がフレッシュな時に行う方が良いと思っています。
またスピード練習は着地衝撃も大きいので、フレッシュな方が故障リスクが少ないと思います。
土日のセット練習なら、土曜日に持って来て、日曜日はEペース走など、スタミナ系のトレーニングに当てる。

スタミナ系トレーニングも20km走やる積りで疲れていて15km で止めてしまうとその分の効果しか得られないでしょう。
フルマラソンの場合、疲れた脚でも動かし続ける事は、根性論とは別に必要になってきます。
スタミナ系トレーニングを土日セット練習の2日目に持って来るのは脚の耐久力を養成する点で意味は有ると思います。

私の閾値ペースは、最大心拍数の90%~92%で行うようにしています。高めですが低くて閾値に達しないより良いと考えています。
多少オーバーペースでも走るのは20分間ですし、5kmTTのような力一杯でも無くて何とか走れると言う事も有ります。
毎回心拍数が90%を下回るようなら、設定ペースを2~3秒/km上げる事にしています。
速くなっても距離が延びるだけで20分間経たないと終われないんですけどね(笑)。

色々な考え方、トレーニング方法が有ると思いますが、ダニエルズさんの考えをベースに私見を書いてみました。

追記。
閾値走のペースも必ず設定ペースを守らないと効果が無いと言う事では無く、コースのアップダウンや向い風などで上げ下げが有るのは当然です。
またこれからの季節は気温の影響も大きくなります。

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運動刺激時間

今日の話はある意味、当たり前の話なんですが、トレーニング効果は、運動強度とその刺激時間で決まります。

走力が上がって、例えば、サブ50も超え、サブ45の走力になると、各運動強度のペースは速くなりますよね。

例えば、閾値走だと、サブ3なら04'00/kmで20分間走って、丁度5km。

VDOT=60 フルマラソン2:43'20のランナーなら、閾値ペースは、03'40/km。
インターバル走は、03'23/km。

サブ3の時と同じ5kmの閾値走だと、18'20で終わってしまいます。
刺激時間としては、1分40秒分、サブ3時代の閾値走より短い事になります。

閾値走の刺激時間がどれくらいが適当なのかは疲労度との兼ね合いです。
5km閾値走が不足だとは言えませんけど、刺激時間だけ見ると、そう言う事になります。

閾値走の場合はまだ良いのですが、インターバル走となると無視出来ない刺激時間の減少になります。

インターバル走の目的で有るVO2maxの刺激時間は、疾走開始より2分間以降とダニエルズさんは書かれています。

インターバルペースが03'23/kmなら、1000m走のインターバルで得られる刺激時間は、83秒間。
6本やっても498秒間。
もっともその刺激時間の短さを補うためにつなぎのジョグ時間を90秒とか短く取って走ったりしていますよね。

ただ90秒のレストと60秒のレストでそれぞれの得られた刺激時間がはっきりしません。
心拍数見れば判るでしょとは思いますけど。

それなら、1000m走じゃ無くて、1200mや1300m走れば、疾走2分間以降の刺激時間が十分得られて、刺激時間は計算できます。レストを仮に2分間と十分取っても、1本当りの刺激時間が長いので練習効果は有りますから。
03'23/kmで1200m走ると、04'03で刺激時間は2分間、1300m走ると04'24で刺激時間は2分24秒。
1000m以降がボーナスタイムと言うか、刺激時間のゴールデンタイム(笑)。

もっとも、自分を虐めるのが好きなランナーさんは、レストを60秒にして疾走直後から、ヒイヒイ走るのが好きかも知れませんけど(笑)

どちらもしんどいか。
体感的に1000m走だと、何とか勢いで押し切れる気がしませんか。
1200mや1300mだと誤魔化しが効かない気がします。
長ければ良いと言う物でも無いので、強度が極めて高いため、1本当りの疾走時間は、5分間以内です。

もう一つ。ビルドアップ走の場合。
ビルドアップ走が閾値ペースでの刺激時間も兼ねている場合、3段目に閾値ペースを持って来るとして、その刺激時間は十分かと言う点が、考慮するところ。

3kmの3段だと閾値刺激は3kmで、2段目である程度の疲労が来ていますけど、速いランナーだと10分間程度の刺激時間となります。

上の例だと、03'40/kmで3kmだから、11分間。
どれくらい刺激時間を得るかは疲労度との兼ね合いになりますけどね。
4km3段、5km3段の基本形の他に刺激時間も考慮して、3km、4km、5kmの変則ビルドアップ走なんかも有り得ますね。
速くなるほど長くなるって、きつそうですけど(笑)。

運動強度と刺激時間もどれくらいが良いか考えながら練習メニューを考えるのも市民ランナーの楽しみの一つかと思います。

宣伝する訳でも無いのですが、その点、20分間閾値走の場合、速かろうが遅かろうが、刺激時間は常に20分間なので、走るペースだけを考えれば良いので楽なんですよ。
いつまで経っても20分間苦しい訳ですが、20分間経てば終わりますからね。

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去年インターバル走をやらなかった理由

編集部:
仙台在住のペンドラさんから質問を頂いておりますので答えて下さい。

たのくる:
この応答パターンって、上州の竜さんのブログを思いっ切り真似しているよね?

編集部:
そうなんですよ。上州の竜さんのブログ、面白いでしょ。当ブログも少しは見習うべきかなあと。
で、ご質問内容ですが、昨日のコメントから抜粋すると

「昨年の夏の間も水・土の閾値走で、結果、PB更新されましたよね。 
インターバルやBU走などを組み合わせて、結果へ繋げていくのが一般的だとは思いますが、 閾値走が(で?)良いと思われる理由を聞かせていただけますでしょうか。 」

たのくる:
長くなるけど、その前にマラソンで速く走るための要素とトレーニングメニューの関係を整理しておこうか。

理由だけ知りたい方は下の方の理由:の箇所を見て下さい。

ランニングフォーミュラの第3版からは要素の話は記載されなくなったんだけど、第1版やアドバンストマラソントレーニングでは要素について書かれていて、これは変わらないと思う。

1.最大酸素摂取能VO2maxが高い
インターバル走。Iペース走

第3版に書かれているが、過去、最大酸素摂取能力が持久力のもっとも重要な指標だと考えられて来た。しかし近年ではマラソンの記録とその高さは直接的な結び付は無いと考えられている。
例を上げるとVO2maxは確かにエリートマラソンランナーでは高いが、1500m走や5000m走のランナーの方が高い人も居る。
高いに越した事は無いがフルマラソンの記録とは直接的に結びつかない。
まあ、ファウラーがフルマラソンを走ったらどんなタイムで走るか気になるけどね。

編集部
大迫選手もボストンマラソンで結果を出しましたね。高いに越した事は無いんですね。

たのくる
そうだね。

2.ランニングの経済性が優れている
エネルギー効率が良く洗練されたフォームを身につける。
レペティショントレーニング。Rペース

フルマラソンを後半もペースダウンせず走り切る事や故障のし難さの観点でも、私はもっとも重要視している要素。

編集部
レペティションって具体的にはどんな練習?

たのくる
インターバル走より速いペースで短い距離を走る練習。フォームを良くして、速筋も鍛えられる。
私は土の上での流しを勧めているけどね。

編集部
ああ、あの耳タコな練習ですか。本当に効くのかなあ。

たのくる
そうやってバカにしているけど、地道に継続していると効いて来るんだよ。
騙されたと思ってやってみてよ。

3.乳酸性作業閾値が高い
閾値走 LT走、Tペース走

閾値ペースは頑張って50分間から60分間継続出来るかなりきついペース。
基本的にフルマラソンのペースはこの閾値ペース以下で走らないとエネルギー枯渇で走り切れない。
フルマラソンとは相関性が高いペースで、これを鍛える事でより速いマラソンペースで走れるようになる。
ダニエルズさんの表ではTペースとMペースの差は走力が高くなるに連れて小さくなり、10秒差ぐらいまで近づくが、15秒差ぐらい有るとレースとしては楽かな。
レースでは地形のアップダウンやペース自体のアップダウンや天候の影響もあるしね。
ちなみにVDOT=58 フルマラソン2:48'14のMペースは03'59/km、Tペースは03'46/km。
私はこの要素とトレーニングも重要視している。

4.心血管系を強化する
イージーランニング

5.活動筋の働きを向上させる
イージーランニング

4と5を合わせて、所謂、ランナーとしてのスタミナと呼んで良いかと思う。
最後まで脚を動かし続ける能力もこれに含まれると考える。
4と5、脚を動かし続ける能力はフルマラソンランナーとしては基本中の基本で大事なものと言う認識だね。

これらがフルマラソンを速く走るための要素だが、フルマラソンのトレーニングでは、トレーニング原理の「トレーニングの特異性」も重視している。
フルマラソンに慣れるにはフルマラソンペースでフルマラソンを走る事が1番の良い練習。
ただ練習でフルマラソンをガチで走ってられないので、Mペースの30kmで仕上げて行くイメージだね。予行演習や耐久度確認、身体の状況把握にも使い実戦的な練習。

編集部
いつものようにコテコテな内容ですね(笑)
マラソンで速く走るためには、これらの要素を鍛える事が必要。
たのくるさんとしては、ランニングエコノミーと乳酸性作業閾値とランナーとしての心血管系、筋肉の耐久性も重視していると言う事で良いですか?

たのくる
まあ、そうだね。

理由:

編集部
それでは、ご質問の「何故、インターバル走やビルドアップ走をやらず、閾値走だけやったのか?」

たのくる
結論から書くと、4月に故障して走力を落としたので、サブ3で走れるようになるための1番必要な練習をしたと言う事。

6月時点でサブ3の閾値ペース、04'00/kmの20分間閾値走が出来なかったからね。
マラソンPDCAとして、今一番必要なものは、ランナーとしてのスタミナと閾値の底上げだった。
そうなると閾値走とEペース走。それと土の上での流しを中心とした練習メニューになる。

閾値ペースがまだサブ3に到達していないのでインターバル走は不要だった。
速筋は流しで鍛えられるしね。
故障したシーズンだったから、着地衝撃が大きくマラソンとは直接的な関連性が少ないインターバル走を採用しなかったと言う事。故障リスクも回避したと言う事も有る。

一方、ビルドアップ走は閾値も含めランナーとして全体的な能力を鍛えられる。
ポイント練習として定例的に採用しなかったのは、閾値の底上げが急務だった事と運動強度、疲労度との兼ね合いだね。
ビルドアップ走はそれなりに距離も走るからきついしね。3x3段だと割りと軽めだけど、閾値ペースに晒す時間が短くなるからね。20分間閾値走の単品メニューにしたわけだ。

編集部
ランナーはその時々のランナーの状況に応じて、何に取り組むべきか考えて、トレーニングすると言う事ですね。

たのくる
定番としての練習、メニューはあるけど、ランナー毎に事情も回復度も違うからね。
ただ、前シーズンは結果としてPBを80秒短縮出来たけど、もしインターバル走をやっていたらもっと速く走れたかも知れないし、故障して走れなかったかも知れない。

それに神戸マラソンではやっとサブ3だったから夏のメニューがベストだったとも言いきれない。
神戸マラソン以降のMペース30km走、閾値走の継続、土の上での流しで古河はなももに繋がった気がする。

編集部
結局、最後は土の上での流しで締めるんですね(笑)
もう一つ質問して良いですか?
閾値走だけで足りなくなる時はどんな時でしょう?

たのくる
結局、それも今何が必要かと言う自問になるね。スピードと言う点でトレーニングメニューを見ると速い順で
R、I、T、M、E
だよね。
流しを習慣的に行っていると速筋は衰えないと思うけど、インターバル走が必要と言う事は、閾値ペースが頭打ちになって来た場合。
閾値ペースが家の天井だとしたら、インターバルペースは家の屋根。
マラソンペースは居住空間。スタミナは家の土台。
天井は屋根より高く出来ないからね。

それでもあるトレーニングは他のトレーニングでカバー出来る事も有り、例えばインターバルペースは、レペティションによるフォームの改善と速筋系の鍛錬とスタミナ系トレーニングで向上する事もある。
ただあるトレーニング目的に特化した練習、インターバル走ならインターバル走は、最大酸素摂取能を1番向上させるのに向いた練習だよね。

ランナーとその時々の状況で必要な運動強度の練習を行う事がマラソンPDCAとしては良いと思っている。
全体的なバランスの取れたビルドアップ走も良いと思うけどね。

編集部
ビルドアップ走はやった事も有るのですが、結構、きついですよね。
たのくるさん、最近、早朝練とか、インターバル走とかきつい練習、していませんよね。

たのくる
まあ、それもマラソンPDCAだよ。
漁師さんの時間に早起きして朝飯抜きで練習するより、休養も大切と言う事だね。

編集部
(単に自分に甘い気がするけど、怖くて言えねえ)

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どうしたら速く走れるか2

脳内マラソン談義をしていたらとんでも無く長くなったので結論から(笑)。
記録向上を目指して6年ほど経った57歳のおっちゃんの経験的な私見です。
記事中、元からの書き始めは箇所は++++++の所からです。

正確にはタイトルとして「昨年より速く走れるか」なんですが、記録志向でフルマラソンに取り組み、最初の2、3年間は練習効果も高く記録は自然と伸びます。
5、6年も経つと記録も頭打ちになって来ます←私はココ(笑)
勿論、個人差も大きいので一般論です。

加齢による衰えは40歳以降、確実に発生しています。特に1500m走などのスピード。しかし昨年と同等以上のトレーニングを積む事で歳に関わりなく速く走る事は可能だと思います。
またフルマラソンはメンタルを含めて総力戦のスポーツですから体力的な衰えをカバーして取り組む事も可能です。

もっとも回復が遅くなるとか故障や怪我の影響で歳を取って来ると昨年と同等以上の練習を続ける事自体が中々難しい事なんですけどね。

また市民ランナーの場合、仕事や家族など身の周りで起こる事で練習を継続する事が一時的にせよ、長くなるにせよ、難しくなる事も往々にして有ります。

練習に打ち込める状況でも練習時間はランナーそれぞれで限られています。
同じ総練習時間でも走力が上がるに連れて全体的なスピードが上がるので走行距離も伸びて来ます。

昨年と同等以上の練習の意味としては、走行距離と練習ペース、練習種の組合せです。

1)練習時間を増やし、同じペースだが距離が伸びている場合。
2)走行距離は同じだが、練習ペースが速い場合。結果として練習時間は減る。
3)距離も平均ペースも同じだが今まで取り組んでいなかった練習に取り組んだ場合。
4)ラン以外の強化に取り組んだ場合(体幹トレなど)
5)フルマラソンで弱点となっていた点を強化出来た場合。
これらは昨年と同等以上の練習が出来たと言え、記録の維持以上を期待出来ると思います。
どれが1番伸びるか合っているかはランナーそれぞれで事情が違います。
一般論としては生理学的要素を満遍なく鍛える(特に劣る要素)を鍛える方が効果が有ると思います。
特に閾値を上げる事は前回書いたようにフルマラソンとの相関性が高い。閾値が上がらなければ基本的にフルマラソンはより速く走れないと思います。

ただ距離や運動強度が上がるに連れ故障リスクも高くなって来るのでフォームの改善は真っ先にまた継続して取り組む要素だと思っています。なので土の上の流しを耳タコで熱く語っています(笑)。
流しだけでフォームか良くなる訳じゃ無いですけどね。

故障や怪我で練習出来なくなる「加速度的な減退」はより速くなるための最大阻害要素だからです。特にやり直しの時間があまり無い高齢ランナー(自分の事)の場合。
もっともフォームを磨いてランニングで故障しなくても風呂場で転んだり満員電車で押されて捻挫したりと←弱っちい、で中断していますけど(苦笑)。

距離や強度が上がるに連れて逆に計画的な休養も大切だと思います。ランニングでは必ず微細な損傷は起きているからです。

結論と言いつつだらだらと書いてしまった(笑)。
更にまとめると。

生理学的要素と運動強度を理解する。
トレーニング原理と原則を理解して取り組む(下記に簡単な説明あり)
何が自分の弱点で弱点を消すために何をすべきかを考える事。
生理学的要素を鍛える事、特に足りていない要素を。足りているならランニングエコノミーと閾値を鍛える事。心肺系は走っていれば自ずと鍛えられる。
昨年度同じ以上の練習が積めていれば年齢は関係無い。ただ加齢による低下は確実に起こっており、同等以上の練習継続は簡単では無い。
故障しない事、その為にもフォームを改善する事。

それと何年も競技志向で厳しい練習を続けるのは記録が伸びない中でモチベーションが保ちにくいです。「維持の簡易性」が有るので、まあこれぐらいで良いか的なと現状維持路線を取ったり。

キリ無いですね。あとはランナー飲み会のマラソン談義ででも(笑)。

+++++++++++++++++++++++++++++
当初の書き掛けの部分(笑)
前回はフルマラソンに関しての生理学的要素とそれらを高めるための運動強度についてでした。

ランナーのパーフォマンスに関わる重要な生理学的6つの要素。
・血液と酸素の運搬能力を高める
・筋肉の能力を向上させ、酸素を効率的に使えるようにする。
・乳酸性作業域値を高め、より速いペースで走れるようにする。
・有酸素作業能(VO2max)を向上させる。
・スピードを向上させる。
・ランニングに必要なエネルギーをより低く抑える(ランニングの経済性)。

トレーニングの原理

フルマラソンの自己記録向上を目指して最初の2、3年は走れば記録更新と言う状態で面白いように伸びますよね。
5年、6年経つと記録は伸びても大きな伸びが無くなって来ます。←私は今、ココ(笑)
勿論、一般的な話でランナーそれぞれ成長の軌跡は違います。

まず7つの原理のタイトルと一行説明

1.トレーニング刺激に対する身体の反応
急性の反応と継続してトレーニングし体が対応して来る2点が有り、主に後者を指す。

2.トレーニングの特異性
あるスポーツ、ある技術、ある部位を鍛えるにはそのスポーツや技術、部位に特化して鍛えた方が効果が高い。

3.体力向上の速度
トレーニングを継続した場合、トレーニング効果は最初は早く、徐々に緩やかになる。

4.個人の限界
選手にはそれぞれ固有の限界がある。

5.収穫逓減
トレーニングを継続し、強度が増すとその効果(収穫)は減少すること。

6.加速度的な減退
故障や中断による減退は大きい。

7.能力維持の簡易性
その能力を獲得する努力より維持の方が容易。

トレーニングの3つの原理と5つの原則と言うのも有ります。

3つの原理
a. 過負荷 慣れるので少し負荷をかけて向上させる必要あり
b. 可逆性 止めると元に戻ってしまう
c. 特異性 上の2と同じ

5つの原則
d. 漸進性 少しつづ増やし向上させる
e. 反復性 繰り返して向上させる
f. 全面性 全身も鍛えた方が良い
g. 個別性 個人で異なる
h. 意識性 目的を理解して取組む

これらの原理原則は速く走るための原理原則で有ると共に速くなれない原理原則でも有ります。

個人の限界と言う原理はまず考え無くて良いようです。限界まで行かない内に別の原理原則で抑制がかかると思うので。

原理原則の個別性や個人の限界の範囲かも知れませんが年齢的な衰えも起こります。
ダニエルズさん第3版で40歳以降は年々VDOTで約0.85の低下が起こり、ランナーはそれに抗って走力を維持したり伸ばしたりしているわけです。
40歳以降は昨年と同じ走力を維持出来たら上出来と思っても良いわけです。

もっともこの低下は1500m走などのパーフォーマンスで有って、フルマラソンのように経験、メンタル、技術、補給、ランニングエコノミーなどスピードが衰えても他でカバー出来る部分も大きいので同じ低下にはならないと思います。
それでも肺の機能など年齢的衰えや大きいのは回復力ですかね。

それでも加齢に関わらず、走行距離が伸びるか、走行ペースが上がっていれば、あるいはその両方なら、記録は伸びてより速く走れる。←当たり前ですね

昨年と同じでは維持でそれ以上のトレーニングを行わないと原理原則上でもあまり速くならないわけです。

あ、これは既に5年6年と競技生活を過ごしたランナーの話です。40代、50代でも走り始めたら3年は伸びます。

昨年と同等以上のトレーニングレベルを継続する事が特に歳を取って来ると大変なんですけどね。

市民ランナーにせよ実業団選手にせよ走れる距離にはやがて限界が来る。
特に練習時間の限られた市民ランナーは月間走行距離がやがて頭打ちになるでしょう。実際は知りませんが、実業団でも月間1000kmが限度でしょうかね。

市民ランナーの場合、練習時間は限られていて、実業団も寝ずに頑張っても週168時間←無理です(笑)、週何時間でしょうか。
ジョグノートを見たら故障していない時でも週5時間前後ですね。練習と練習の間も入れて週7時間程度のようです。12時間だと体組成計でアスリートモードに出来たのに。

話が逸れましたが走力が上がるに連れ同じ練習時間でも走れる距離は伸びます。
私の場合、週5時間として月20時間。
平均04'30/kmで走って月間266km。←計算はほぼ合っていますね。

週7.5時間月30時間の練習がある人だと、
平均06'00/kmで月間300km、平均05'00/kmに上がると360kmに増えます←当たり前
キロ4平均になると450km。

走力距離の計算はもう良いですね。何れにしても練習時間に限度がある以上、距離はどこかで頭打ちになります。
ジョグのペースも含めてEペース←ここで脳内議論に疲れて止めた(笑)

この後、適切な運動強度の組合せをフォーム改善と閾値の向上を中心に展開し、土の上の流しと20分間閾値走、EペースやMペースでのフォーム改善効果の確認で締めようと考えていました。
脳内の別の理論派がいつも語っている事じゃね~かと否決してここに至る(笑)

どうしたら速く走れるか

ちょっと今回、長くなる予感(笑)。
分けた方がネタ切れにならず良いかも。
 
タイトルは上尾ぐるぐる30kを終えた後、ランチの席で出た話題です。
その時はメンツを見て、運動強度のバランスでしょうかと言ったのですがもう少し総合的なものなんだろうなと思います。

・ランナーのパーフォマンスに関する生理学的要素。
・トレーニングの7つの原理。
・それとランナー個々の特性。

それらを総合的に考えて取り組んだ時に走力が伸びる。

ランナー個々の特性はマラソンランナーとしての適性や身体的な特徴、年齢、性別の他にもトレーニングに費やせる時間や仕事での疲労、家庭環境、身体的特徴も単に速く走れる身体だけでなく故障のし難さや疲労回復の早さなども含まれると思います。

市民ランナーの場合、ランニングを続けられるかと言う事もありますよね。
良い事、不測の事態含めて生活していると色々なイベントが発生する。仕事面だったり、家族の事が多いでしょうけど今まで通りにランニングの時間を確保できなくなる事も出てきます。それが一時的ならまだ良いですがしばらく続く事もある。

トレーニング原理と生理学的要素は過去、アドバンストマラソントレーニングやランニングフォーミュラの内容を何度も紹介して来ました。

運動強度のバランスと言う話はフルマラソンをより速く走るための理論から来ています。

同じ考え方ですが、アドバンストマラソントレーニングでの生理学的要素。
マラソンの生理学

繰り返しになりますが、ランニング・フォーミュラでは、ランナーのパーフォマンスに関わる重要な生理学的要素を6つ上げています。

・血液と酸素の運搬能力を高める
・筋肉の能力を向上させ、酸素を効率的に使えるようにする。
・乳酸性作業域値を高め、より速いペースで走れるようにする。
・有酸素作業能(VO2max)を向上させる。
・スピードを向上させる。
・ランニングに必要なエネルギーをより低く抑える(ランニングの経済性)。

これらを鍛えるためにペースや距離が違うトレーニングをバランス良く行う事だと思います。

運動強度として、Eペース走、Mペース走、Tペース走、Iペース走、Rペース走。
簡単な解説は上の記事リンクに有ります。

速く走るためには生理学的要素とそれを鍛えるための運動強度、トレーニング種を理解し自分に何が足りていないか、更に強くしたいのはどこなのかを考えて練習メニューを組む事が必要になって来ると思います。

ここで生理学的な要素が6つありますがより速く走るためにはどれもが重要でどれか1つだけが飛び抜けて良くてもフルマラソンでのタイム向上ははかれないと思います。
各運動強度のペースは走力が上がるに連れてVDOT表を元にペースアップして行けば良いのですが、問題は練習量の方ですね。

まず、運動強度の比率だけを整理しておくと
Rペース:合計練習量は8kmか週間走行距離の5%の少ない方。
Iペース:合計練習量は10kmか週間走行距離の8%の少ない方。
Tペース:60分以下か週間走行距離の10%の少ない方。
Mペース:合計の制限なし。
Eペース:合計の制限なし。

ここから週50km走る人は、Rペースが2.5km分(400mx6本とか200mx 12本とか150m流し4本を4回とか)。
Iペースが4km分。これだと1000mを4本しかできないので2週間1単位で1000m6本を隔週とか。
Tペースは5㎞分。これも走力が上がると1回が少ないですね。

週60㎞だと、Rペース3km分。Iペース4.8km分、Tペース6km分。
おそらくRペースは多めに過ぎる気がしますから距離を減らしてIペースかTペースに回すか、EとMペースを増やすかでしょうか。
これを自分の弱点は何かで考えて組み立て疲労度も考えて取り組む感じでしょう。
私の場合、月間走行距離は250km前後、週60kmほど。
ダニエルズさんを尊敬しつつ目安はかなり無視して走っています(笑)。

月間300kmだと週75kmで400kmだと週100km。300kmぐらいから比率に沿って組みやすくなるかも知れませんね。

メニューの組み方も過去書いていましたね。
練習メニューの組み方その1

練習メニューの組み方その2

この中ではあまり流しについて熱く語っていないようです(笑)。
私はフルマラソンに取って、ランニングエコノミーをかなり重要視していて効率の良いフォームかつ故障し難いフォームの追及を優先しています。

運動強度の比率だけ考えていると何でもやりたくなってオーバートレーニングになってしまいます。
弱点克服で重点強化メニューや期分けで強くしたい要素を鍛えた方が良いように思います。

6つの要素はどれも重要ですがフルマラソンで考えた場合、次の4つが直接的に関連が有ります。上2つは家で例えると、土台のような物。閾値は家の天井。天井の下を居住空間にしている。

・血液と酸素の運搬能力を高める
・筋肉の能力を向上させ、酸素を効率的に使えるようにする。
・乳酸性作業域値を高め、より速いペースで走れるようにする。
・ランニングに必要なエネルギーをより低く抑える(ランニングの経済性)。

フルマラソンは基本的に閾値ペース以下で走るスポーツですから、速く走るためには閾値ペースを速くする。

ダニエルズさんの表では走力が上がると閾値ペースとマラソンペースの差が小さくなり、11、12秒差になります。
実際のレースでは15秒ぐらい余裕が有った方が良いと思っています。
サブ3なら4'00と4'15。サブ50なら、3'45と4'00←後者がMペース。
レースでは走っていると、平均マラソンペースより前後し少し速く走る事も有るため、15秒余裕が有った方が安全だろうと言うのが理由。
ランニングエコノミーはマラソン後半のペースを維持する点でも重要な要素だと思います。効率の良いフォームは故障予防にも有効だと思います。


・有酸素作業能(VO2max)を向上させる。
・スピードを向上させる。

この2つはフルマラソンとは閾値を介して関連すると思っています。家で例えると屋根に当たります。天井の閾値ペースを高くするためには屋根が高い事が必要だからです。

今回は速く走るための生理学的要素だけ再掲した形ですが、ランナーが記録向上を目指してトレーニングに取り組む時、より重要になって来るのはトレーニングの7つの原理の方かと思いますので次回取り上げたいと思います。

テーマ : ランニング
ジャンル : スポーツ

プロフィール

たのくる

Author:たのくる
埼玉県在住の市民ランナー。50代後半、男性。
Author名の由来:ランニングで楽苦しいのが好き?
2012年11月、つくばで初サブ3を達成。

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